こんにちは、柔道整復師/パーソナルトレーナーのヒラガコージです。スポーツクラブでインストラクターとして指導をしながら、医療国家資格である柔道整復師の知識を生かして身体機能の改善からダイエットまで、フリーランスのパーソナルトレーナーとしても活動しています。

 デスクワークにつきものなのが「腰痛」ですが、これを改善するために多くの人たちが「理想の座り姿勢」を追い求めるはずです。机や椅子など、まずはハード面で工夫をすると思いますが、良い姿勢を長く保つためには、本人の身体をチューニングすることも有効です。今回は、理想の座り姿勢をつくるためのエクササイズをご紹介します。

◆デスクワークの際、現実は「猫背」に…

 長時間のデスクワークにおいて良い姿勢を保つためには、「強い股関節」「骨盤前傾」「強い背骨」の3点が必要です。

 椅子に座る際には骨盤の下方にある「坐骨」に上半身の重さが乗っていて、その上に背骨、頭蓋骨と縦に並んでいるのが理想的です。

 そのためには股関節はしっかり曲がった状態、骨盤はやや前方に傾く前傾状態、そして背骨は腰が立った状態を揃えた上で維持しなくてはなりません。

 しかしながら、現実は骨盤が後方に倒れて尾てい骨あたりに上半身の体重が乗ってしまい、頭蓋骨と骨盤の間にある背骨は、大きな湾曲を描いた「猫背」の状態になっています。

◆①強い股関節のための「腸腰筋トレーニング」

 椅子に座り続ける際に股関節を固定・安定させるためには、背骨から骨盤を経由して太ももに向かって走っている「腸腰筋」を鍛えましょう。

 腸腰筋は、インナーマッスルに分類され、効率よく働かせるためには少しコツがあります。

<腸腰筋トレーニング>

①椅子に座ります。
②膝が90度くらいに曲がった状態で、片足を脚の付け根(股関節)から曲げます。
③膝を高く上げるように股関節を曲げたら、脚を床につけないギリギリの高さまで戻し、再度膝を持ち上げて股関節を曲げます。
※10回左右2セット/1日

◆②骨盤前傾のための「Dog&Cat」

 後ろに傾いた骨盤を前傾にするためには、四つ這いで行う「Dog&Cat」がおすすめです。

<Dog&Cat>

①四つ這いになります。
②首を中心に息を吐きながら背骨全体を丸めます。
③背骨を丸め切ったら息継ぎをして、再度息を吐きながら首を中心に背中を反らします。
④②と③を繰り返します。
※10回2セット/1日

 ポイントは、背骨よりもお尻周りの骨盤を主体で動かすことです。猫背のクセがある方は背骨の腰部分の腰椎を主体に動かしてしまう傾向にありますから、お尻周りを動かすことに意識を強く持ちましょう。

◆③強い背骨のための「ハンズアップスクワット」

 背骨周りの筋肉を鍛えるためには、バンザイをした状態でのスクワット「ハンズアップスクワット」をやってみましょう。

<ハンズアップスクワット>

①脚を大きく開いて、腕を腰の横に落とします
②爪先と膝を左右45度外側へ向けてガニ股にセットします
③お尻を軽く後ろへ引きながら腰を落とし、同時に腰の横にあった腕を頭の上に向かってあげていきます
→腕を真っ直ぐに伸ばしたままバンザイをするように挙げていきます。肘や背中が曲がらないように気をつけましょう
④お尻が膝の高さぐらいまで落ちたころにバンザイも最大限まで行い、そこから元の形に戻っていきます

 スクワットは下半身のトレーニングというイメージがありますが、腕をあげた状態で行うことで背中の筋肉への負荷が強まります。

 これは、たんに腕をあげ続けるだけでは足らず、背筋に繋がっているお尻周りの筋肉を動かす運動をすることで効果が高まるため、バンザイとスクワットを織り交ぜたハンズアップスクワットが有効的なのです。

 腰痛に悩んでいて「理想の座り姿勢」を求めている人は、ぜひ今回のエクササイズを試してみてください。

<文/ヒラガコージ>

【ヒラガコージ】
柔道整復師/パーソナルトレーナー。スポーツクラブでインストラクターとして指導をし、現在は医療国家資格である柔道整復師の知識を生かした身体機能の改善からダイエットまで幅広いクライアントを担当するフリーランスのパーソナルトレーナーとして活動中。公式「Amebaブログ」更新中