日刊SPA!で反響の大きかった2022年の記事からジャンル別にトップ10を発表。今回は集計期間から漏れてしまったが、実は大反響だった記事を紹介する!(集計期間は2022年1月〜11月までに12月分を追加。初公開日2022年11月2日 記事は取材時の状況) *  *  *

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。

◆ユニクロの「日陰モノだけど、スゴいアイテム」

 ハイブリッドダウンにセルヴィッヂジーンズ……ユニクロの名作は多数ありますが、実はその名作に隠れた「日陰モノだけど、スゴいアイテム」もあるんです!

 今回はあまり陽の目を見ない、店頭陳列でもどこか奥まったところに追いやられがちなアイテム……しかし! よく見ればプロをも唸らせる珠玉の品を。3つほど紹介していきます!

◆実は進化を続けているユニクロのバッグ類
・ラウンドミニショルダーバッグ 1500円

 ユニクロは最近、バッグ類強化していますが、いまいち店頭のレイアウトが悪く、目立つところに置かれてない。そのため気づいていない方も多いでしょう。

 フェイクレザーの本格的なバッグだったり、ナイロンの機能派リュック、ビジネス用のブリーフケースなどさまざまな種類が展開されていますが……イチオシはこちら。ラウンドミニショルダー。

◆海外ハイブランドで展開されているハーフムーンバッグ

 レディスのトレンドにハーフムーンバッグがあります。半月状のバッグのことを指します。

 ワンショルダーにしても斜め掛けしても手持ちにしても違和感がない魔法の形として海外ハイブランドを中心に展開が広がっているもの。メンズにも近年じわじわと登場し始め、ユニクロも今回展開しているというワケ。

 マットな風合いのナイロンでスポーツウェアのようなテカりもなく上質。さらにこのバッグ、中綿が入ってます。ナイロンやポリエステルはどうしても薄手の素材感が多いのでバッグにした時に頼りない印象になりますが……中綿を入れることで厚みを出し厚手レザーのようなボリューム感が出ています。

◆1500円では不可能な領域に達したクオリティ

 小さめのサイズかと思いきや、ケータイ、財布、傘、タブレットなど相当量を収納できる。ここに関しては公式サイトでも珍しく収納動画を打ち出すほど自信満々です。

 1500円で作れるバッグなんて当然限界があります……が、これはもう限界突破したアイテムでしょう。素材も作りもトレンド感も1500円じゃ不可能な領域です。

 意外とビビッドなオレンジなどおすすめ。黒系のコーディネートに1点挿すと都会的なコーディネートが作れます。

◆メリノウールにはない魅力を持ったニットシリーズ
・ウォッシャブルストレッチミラノリブクルーネックセーター 2990円

 ユニクロのニットといえば「エクストラファインメリノウール」シリーズ。この時期になるとベスト、タートルネック、クルーネック、Vネック、モックネック、カーディガンと……人気なのでしょう無尽蔵にシリーズが展開されています。

 が、メリノウールより個人的におすすめしたいのがこちら「ウォッシャブルストレッチミラノリブ」シリーズです。

 まず素材感。確かに光沢感だけで言えばメリノウールにはかないません。しかしこの手のハイゲージニットは光沢を出すために細い糸を使うのですが、するとどうしてもインナーの形を拾ってしまいます。

 インナーに肌着を入れれば(ニットを素肌で着る人はほとんどいないので誰もが思うでしょうが)形を拾ってしまい、美しいシルエットの邪魔になります。また薄手なため真冬は少し寒々しく感じることも。

 その点、こちらのミラノリブシリーズは厚手の素材でモッチリ。光沢はメリノウールほどではないですがその分インナーの形も拾わない。真冬の着用も違和感ない。それでいて光沢もほどほどに持っていて使い勝手は抜群です。

◆長年の「唯一のネック」もついにクリア

 さらに着心地。ストレッチ性の高い素材で型崩れしにくいのがポイント。 

 ニットはハンガーにかけておくと簡単に型崩れするもの。しかしこちらのミラノリブシリーズは長期間でなければハンガーにかけても型崩れはおこしません。扱いが非常に楽チン。

 ニットというよりスウェットのようなもっちり柔らかい風合いで文句なし。着心地も見た目も扱いやすさも抜群。

 毎年唯一のネックが「色展開の少なさ」だったのですが、今年は豊富に色を作ってくれていてそちらも解消。おすすめです。

◆アウトドアブランドのような印象のウルトラライトダウン

・ウルトラライトダウンベスト(ワイドキルト) 4990円

 ウルトラライトダウンのアウターベストバージョンです。

 ウルトラライトダウンはジャケットやアウターの「インナー」に潜ませるアイテムとして使っていた方も多いでしょうが、今回は「ワイドキルト」タイプが登場。ダウンのパーテーションをよりワイド幅にすることでアウター風に作り替えた新しいモデルです。

 キルティング幅を広くとった「だけ」と言えばそうなのですが、これだけでアウトドアブランドライクな見た目に変身。ユニクロ価格ながらブルゾンやジャケットの上に着用できるボリューム感のある印象になっています。

◆「ユニバレ」しにくい気の利いた色展開

 アウトドアブランドではこの手のアウター用ダウンベストが多く展開されていますが、どれも数万円と高価なものばかり。

 ユニクロは4990円でフィルパワー750、しかも耐久撥水素材。都市生活ならこのダウンで文句が出ることはまずないでしょう。

 色展開もクールな落ち着いたものが多く、合わせやすくなっており、「ユニバレ」しにくくなっています。4990円でこの防寒性と見た目なら文句なしです。

 以上、ユニクロの隠れた名作3選でした!



【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)