―[メンズファッションバイヤーMB]―

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第418回目をよろしくお願いします。
◆数あるユニクロの新作のなかから選出したベスト10

 いよいよユニクロでは春物の新作がズラリ揃ってきました!

 今回は数あるユニクロ新作の中からプロが選んだ「これぞ!」と思えるマストバイアイテムを10点を一挙紹介。これさえおさえておけばユニクロの春物は十分!

 どれもハズレなしです! ぜひご参考に!

◆★ユニクロの得意素材を使った春アウター
・デニムジャケット 4990円

 昨年大ヒットしたデニムジャケット。リーバイスのGジャンで言う”1stモデル”を採用。

 ビッグサイズでデザインが複雑に入ったリーバイスの名作Gジャンを現代風にモディファイ。ディティールをわずかに簡略化し、着まわしやすく仕上げてあります。

 デニムといえばユニクロの得意素材、ハイブランドも使う有名デニムファブリックメーカー「カイハラ」を採用したことで極上の風合いの実現。さらに今回は古着加工も丁寧に行い、普段のユニクロでは見ないようなダークグレーカラーやブリーチをかけたようなブルーも展開しています。

◆大人が着てもだらしない印象にならない

デニムジャケット リラックスサイズですが、袖周りはコンパクトに作るなど、大人が着用したときにだらしなくならない配慮もあり、すべてが完璧。

 デニム好きにはストレッチ素材を使ったことによる風合いが若干気になるところだけれど、4990円の価格なら大満足。春のアウターとしてイチオシです。

◆★まだまだ安く感じるユニクロ史上屈指のロンT
・エアリズムコットンUVカットクルーネックT(長袖) 1990円

 1枚の生地ながら表はコットン、裏はエアリズムの糸が出るように設計されたカットソー。

 肌に当たる部分がエアリズムなので接触冷感や通気性など高い機能性はそのままに、表地はエアリズムと気づかれることなく高級感を持たせた名作です。

 昨年から1500円から1990円に値上がりしてしまいましたが、それでもまだまだ安く感じるユニクロ史上屈指のロンT。

◆ブランド品のTシャツと比較しても劣らない風合い

エアリズムコットンUVカットクルーネックT(長袖) シルエットはゆったり気味で光沢のある素材感にドレープが出るように作られており、ブランド品のTシャツと比較しても劣らない風合いがあります。

 色味は明るいブルーやパープルなどは少し若い印象ですが、黒は光沢感をさらに強く感じられ、大人な印象に。デニムにこれだけでも十分「ぽく」見えるのが嬉しい。

◆★美しい光沢を実現した「3Dニット」
・3Dクルーネックセーター(長袖) 3990円

 1本の糸を立体的に編み上げた無縫製のニット。

 こうした3Dニットは縫製がない分、生地の凹凸が起きず着心地が向上する上、光沢が流れるように見えるため高級感が出やすい。

◆他社で同じ商品を作れば2万〜3万円

3Dクルーネックセーター(長袖) 本来、3Dニットは極めて単価が高いのですが、ユニクロはこの技術に早い段階で投資しており、格安で製造が可能に。他社で同じ商品を作れば2万〜3万円してもおかしくないほどです。

 無縫製ならではの着心地をぜひ体感してください、これで3990円は破格すぎる。

◆★さらに進化したトレンドアイテム
・タックワイドパンツ 3990円

 一大トレンドとなっているワイドパンツ。ユニクロもいよいよ昨年あたりから本格展開していますが、今回は昨年のモデルからさらにアップグレードしたもの。

 ワイドシルエットながらダボダボ感が出にくい万人が楽しめるアイテム。「ワイド」と聞くだけで田舎のヤンキーを思い出してしまいそうですが、こちらは幅を程よく抑え、ワイドとストレートシルエットの中間くらいを目指したもの。

 ワイド初心者や大人な着こなしを好む方でもダボダボ感を気にすることなく、新しい印象を獲得できます。

◆ユニクロの本気がうかがえるクオリティ

タックワイドパンツ 素材は昨年のものと比べても滑らかなウールライクなものに。見た目はウールに近いですが、素材自体は化学繊維なのでシワが残りにくく、ガツガツ使えるのも嬉しい。

 ワイドはシルエットのバランスが難しく、また量販店だと素材がチープすぎて田舎のヤンキー感が強くなるので、なかなか格安良品がないもの。

 こちらはユニクロの本気がうかがえる出来。黒が特におすすめです。

◆★「誰が着てもサマになる」春アウター
・コーチジャケット 4990円

 毎年、定番で展開する春物アウター、コーチジャケット。

 素材感もシルエットも「誰が着てもサマになる」を目指しているのがよくわかる。着丈が絶妙で細身のパンツを合わせても太めのパンツを合わせても何故かしっくり来る。

◆他ブランドが手も足も出ずに撤退?

コーチジャケット 裏地にはメッシュを使っており本格スポーツウェアなみの完成度。他ブランドがここ数年コーチジャケットを出さなくなっているような気がしますが、ユニクロの出来がよすぎて手も足も出なくなったのでは……と推察します(笑)。

 僕も昨年自分のブランドでコーチジャケットを作ろうと考えていたのですが、このアイテムのせいで諦めました。

◆★使い古したヴィンテージデニムのような雰囲気
・ユーティリティデニムジャケット(コットンリネン) 5990円

 今季個人的におすすめしたいのがユニクロの新作カバーオール。毎度春にはデニムのカバーオールを必ずリリースするユニクロですが、今回は珍しくリネン素材を混紡したものを用意してきました。

 リネン独特の光沢感と薄いエアリーな風合いが、使い古したヴィンテージデニムのような雰囲気を作ってくれています。

◆5990円とユニクロの春アウターにしては高めでも…

ユーティリティデニムジャケット(コットンリネン) 古着屋さんなどで並んでいるようなヴィンテージデニムさながらの素材ですが、シルエットは古着と異なり、今風に日本人に合わせたきれいなもの。5990円とユニクロの春アウターにしては少し高いのですが、その価値は十分あります。

 これは古着やデニム好きな人にぜひ手に取って欲しい。風合いに腰抜かすはず。黒系のパンツと合わせて大人っぽく合わせると良いでしょう。

◆★実は名作揃いのユニクロのサングラス
・ボストンスクエアサングラス 1990円

 店頭では見つけるのが困難なサングラス。なぜかユニクロはレジカウンターの奥あたりにひっそりと陳列しますが、実は名作揃いなんです。

 オンラインでは早い時期に完売することもしばしば。昨年から1500円から1990円に値上がりしましたが、それでもクオリティから考えたら十分過ぎるほど安い!

◆日本人の低い鼻でもきれいにかけられる仕様

ボストンスクエアサングラス こちらはユニクロには珍しくクリアフレームも展開しており、トレンドっぽい夏っぽい遊びサングラスが楽しめます。

 フォルムはノーズパッドが盛り上がっており、日本人の低い鼻でもきれいにかけられる仕様。

 量販店のサングラスは基本「カチャカチャ」鳴るチープなパーツ使いが多いですが、ユニクロのものは比較的重厚な作りで文句なし。

◆★人気シリーズに加わったシャツジャケット
・感動シャツジャケット 5990円

 感動ジャケットシリーズに新しく登場したシャツジャケット。洗濯機で洗えてシワにもならない、耐久性も着心地も抜群、便利な感動シリーズですが……普段着としても使えるシャツデザインが登場。

 シャツ襟に大きめのボタンを備えたカバーオールですが、ワーク風になることなくコンパクトサイズで大人な印象。

◆ややジャストサイズ気味の作りで大人向け

感動シャツジャケット スラックスと合わせてスマートなONカジュアルスタイルを作ることも。ビッグサイズが多い昨今ですが、こちらはややジャストサイズ気味の作りで大人向けに作っています。

 生地はしっかりしていますが、とにかく軽いので袖をまくるなどすれば夏直前でも使えそうなほど。

◆★高級感たっぷりのスウェットカーディガン
・スウェットカーディガン(長袖) 3990円

 こちらも新しい提案。カーディガンはニットが多いユニクロですが、今回はスウェット素材で提案してきました。

 ただのスウェットではなく、目の詰まった光沢のあるものを採用しており、高級感たっぷり。

◆冬はインナーとして、春秋はアウターとして活躍

スウェットカーディガン(長袖) 生地は厚めにしてありますが冬のアウターの中などにも入れられるように袖はそこまで太くしていない。冬はインナーとして春秋はアウターとして使える便利なアイテム。

 スウェットやデニムに関してはユニクロは得意素材なので他ブランドと比べるとやはりコスパ良く感じますね。

◆★抜群のバランスが特徴のコットンニット
・ウォッシャブルコットンクルーネックセーター 2990円

 最後はニット。定番のコットンニットですが、ONでジャケットの中に入れてもOK、OFFで一枚で着ても使える抜群のサイズバランスが特徴です。

 昨今のビッグサイズトレンドをなぞるとどうしても大きなサイズになりすぎてしまいONでは使えなくなってしまう。

◆ほどよいリラックス感が出る絶妙なサイズ

ウォッシャブルコットンクルーネックセーター こちらはONでも使えてOFFでもほどよいリラックス感が出る針の穴に通すような絶妙なサイズを実現。

 発色も細いコットン糸を使い美しいものに。トレンドカラーであるイエローなどはユニクロとは思えないほどくすみのないいい色に仕上がっておりおすすめできます。

 以上、ユニクロ春物買うべきマストバイ10でした!

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【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)