門脇麦に聞く(3)>

 門脇麦(25)が、ニッカンスポーツコムの単独インタビューに応じた。最終第3回は、14年の映画「愛の渦」で裏風俗店でのセックスシーンを演じるなど、女優、演技への挑戦を続ける裏にある1人の女性としての思い、「体を張った演技」、「女優として覚悟がある」という評価に思うことなど、率直に語った。

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 −監督や共演者とのぶつかりあいで喜びを感じることが、体を張ることが出来る理由?

 門脇 そこに対する抵抗は、あまりないんですよね。恥ずかしいとかは、普通にありますけどね。でも、本当に、確かにその作品に必要なシーンだと思ったらやるしかないというか、やった方がいいと思うというだけの話です。

 −でも、脱ぐシーンがあるから、出ないという選択をする女優もいる。簡単なことではない。体を張れることは、すばらしいと評価する声も多い

 門脇 人それぞれですけどね。でも、体が張れるから、それがすばらしいとは思わないし、覚悟が決まっているという話ではない。そこはイコールではないと思います。絶対にそれは違いますね。

 −では覚悟とは?

 門脇 覚悟ねぇ…。私はやっぱり、仕事をもらうっていう立場で仕事をしているから、監督やプロデューサーから声がかからないと…毎回、これで最後だというか、これでダメだったら仕事がこないという覚悟でやっていますし。

 門脇は公開中の主演映画「世界は今日から君のもの」(尾崎将也監督)で、オタクで引きこもりの女子を演じた。尾崎監督が門脇にほれ込み、宛て書きしてまで脚本を執筆したという作品へのこだわりは強い。

 門脇 今は情報過多だし、ますます自分自身が分からなくなりやすい時代だと思うんですよね。みんなが憧れている人に、憧れることが良いとされていることとか…。でも、じゃあ、流行っているもの、それを着ている自分自身が、本当に好きなのか? 流行っているから着ることが、ステータスになる部分もあると思うし、ステータス重視になっていることに気付いていない人もいると思う。そういう人たちの中では、主人公の真実を「オタク」とか「引きこもり」という言葉で簡単に片付けて、終わってしまうのかも知れないけれども…。でも真実は好きなことが明確にあって、それをやっている女の子。どっちが幸せなのかは分からないけれど…。周りの目なんて気にしなくていいから、自分が本当に好きなこと、やりたいことは何だろうとか、そういうことを、この映画を見終わった日だけでいいから、少しでも思っていただけたらいいな…とは思います。

 真実は劇中で、絵を描く才能を認めて仕事をくれた、ディレクター矢部(三浦貴大)に、ほのかに恋心を抱く。同じ女性としてどう感じるのだろうか?

 門脇 よく分かります。今までは自分が好きで、自分の時間でやっていた模写が、人のために初めて画を描くところにいくわけで…それだけで1枚の画の意味がもう全然、違うわけじゃないですか。やっぱり、人との出会いもそうだと思いますし、自分のためよりも、意外と人のための方が力が湧く。でも最終的には、やっぱり自分が好きだから描くという力が勝つとは思うんですけど、彼との出会い…好きの瞬間に、世界が開けたんでしょうね。

 門脇自身、15年に太賀(24)との熱愛を一部で報じられた。「楽しい恋愛はしている?」と聞いてみた。

 門脇 ははは。今は…仕事、頑張ります、という感じですね。仕事が楽しいので、今は。今までの中で、今が1番、仕事が楽しいです。毎日、楽しいんです。

 はっきりとは答えなかった…それでも、心身ともに今、充実していることがにじんできた。門脇麦、25歳…女優としても、1人の女性としても、今を生きる…本名でもある名前「麦」のように真っすぐに、そして伸びやかに。【村上幸将】

 ◆門脇麦(かどわき・むぎ) 1992年(平4)8月10日、東京都生まれ。本名「麦」は「まっすぐに育ってほしい」との思いから。11年日本テレビ系ドラマ「美咲ナンバーワン!!」で女優デビュー。16年「わたしは真悟」でミュージカル初挑戦。14年映画「愛の渦」などでキネマ旬報ベスト・テン新人賞。特技はクラシックバレエ、英会話。160センチ。