コラム【今週グサッときた名言珍言】

「アイツのおかげで、ヒーローになれた。この濱口優の半分をつくった」(濱口優/テレビ朝日「陸海空 地球征服するなんて」12月9日放送)

「ワシがこうなったんはもう、アイツのせいやからな」と語りだした、よゐこの濱口優(45)が続けて語った言葉を今週は取り上げたい。自分をつくったという「アイツ」と対決したいと挑戦状を送ったのだ。「アイツ」とは今年、スタッフにもかかわらず大ブレークを果たした「ナスD」こと友寄隆英ディレクターのことだ。

 ナスDは「陸海空 地球征服するなんて」で部族の村に潜入。現地の人から出されるものを何でも食ってしまう。それどころか、現地の人がこれはやめたほうがいいと警告するものまで、ちゅうちょせず食ってしまう。同行した芸人のU字工事の存在まで食ってしまった男だ。

 現地の人が冗談で美白にいいと教えた「ウィト」を顔に塗ると、実はそれが入れ墨の染料。顔がナスのように黒紫色になってしまった。そのインパクトある顔はまさに今年の顔となった。

 そのナスDが濱口を「つくった」という。どういうことか。実は「獲ったどー!」という決めゼリフを生んだ「いきなり!黄金伝説。」(テレビ朝日)のサバイバル企画で、濱口にそのノウハウを指導していたのが、ナスDだったのだ。

 もともと、よゐこは「シュール」の代名詞だった。トガった芸風で周りを寄せつけない。「シュールなことやってるイコール俺たちはカッコいいんだ」(日本テレビ「アナザースカイ」13年11月1日)とずっと思っていた。

 だが、ある時その考えが揺らいだ。今田耕司と東野幸治の番組にゲスト出演した時だ。2人から「出た、シュールくん!」「シュールなこと言って!」などとイジられ尽くしたのだ。「シュールってもしかしてカッコ悪いんちゃうか?」(同前)と思うようになった。

「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」(日本テレビ)のレギュラーになると、同期のキャイ〜ンが番組でハジけているのに自分たちは目立てない。そのことに悩み、同じレギュラーの千秋や南原清隆に相談したりもした。その際、南原はよゐこを「ジョーカー」に例えた。使い方次第で武器にも弱点にもなる。けど、今はまだ「ババ」でしかないと。

 そんな時に始まったのが前出の「黄金伝説」だった。相方の有野晋哉(45)は「分かるやつだけが笑えばいい。格好いい笑いをつくる、よゐこってのが理想やったけど」と前置きしつつ、「子供から大人まで家族で笑っちゃう『よゐこ』を濱口がつくってくれたから、今もまだ芸人でいられるんやと思うわ」(テレビ朝日「お願い!ランキング」11年10月24日)と感謝を述べている。

 濱口はナスDによってポップに塗り替えられ、最強のジョーカーになったのだ。

(てれびのスキマ(戸部田誠)/テレビっ子ライタ―)