今クールの秋ドラマでは、今後の連ドラ主演女優のローテーション入りが期待される注目の若手が登場する。

 中でも最大の注目株は、新型コロナウイルス感染拡大防止で収録が一時休止して、11月30日放送開始となったNHK次期朝ドラ「おちょやん」でヒロインを演じる杉咲花(22)だ。

 映画「湯を沸かすほどの熱い愛」で宮沢りえの娘を演じ、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した実力派。

 彼女に初めてインタビューしたのは6年前、雑誌「日経エンタテインメント!」2014年8月号の取材だったが、「完璧な女の子よりも、欠点があったり裏がある子のほうが演じていて楽しい」という大人びた発言を聞いて、大物の片鱗を感じた。

 つのだじろうのホラーコミックを映画「リング」で知られる中田秀夫監督の演出でドラマ化する現在放送中の「恐怖新聞」(フジテレビ系)で主演しているのは、昨年放送された「だから私は推しました」(NHK)で地下アイドル役を演じ、落ち着いた存在感が脚光を浴びた白石聖(22)。

 綾瀬はるか・広瀬すず・橋本環奈が自ら輝く「太陽タイプ」の女優なら、白石は光を受けて輝く「月タイプ」で、新垣結衣・多部未華子・上白石萌音に通じるものがある。

 時代の流れは月タイプに追い風が吹いており、白石も人気を集めそうだ。

 今秋のドラマは、アイドルグループの人気メンバーも演技に挑戦する。

 今月12日にスタートした「彼女が成仏できない理由」(NHK)では、ももいろクローバーZの高城れに(27)が主演。ももクロのメンバーはもともと全員が女優候補としてスカウトされ、初期には同じ事務所の新木優子らと一緒に演技レッスンを受けていた。

 朝ドラで好演した百田夏菜子に続き、高城が眠っていた演技の素質を開花させる。

 美容家の神崎恵が主演する10月7日スタートの「だから私はメイクする」(テレビ東京系)には、先月、NMB48卒業を発表した吉田朱里(24)が美容部員役でレギュラー出演。

 アイドルグループのメンバーには宝石で言えばダイヤモンドやルビーのように華やかに輝くタイプが多いが、美容系YouTuberとして女性ファンが多い吉田は真珠のような奥深い味があるタイプ。

 乃木坂46の白石麻衣や元SKE48の松井玲奈の魅力に通じるものがあり、女優向きと言っていい。

 10月24日放送開始の「どんぶり委員長」(BSテレ東)では伊原六花(21)がキー局連ドラ初主演。

 NHKの朝ドラ「なつぞら」では東洋動画仕上課所属の“モモッチ”を演じたが、今回は丼飯にのめり込む学級委員長役。「バブリーダンス」で話題を集めた大阪府立登美丘高校ダンス部の元キャプテンという経歴を持つ彼女が、リーダー気質を発揮して、視聴者に元気を与える演技を見せてくれそうだ。

▽たかくら・ふみとし 札幌市生まれ。美少女・女優評論家。雑誌「日経エンタテインメント!」(日経BP社)、Web「タレントパワーランキング」(アーキテクト=https://www.talentsearch.JP/)などで女優・アイドルの取材や分析を手掛ける。今年8月に発売された「デビアンOFFICIAL GUIDEBOOK」(アプリスタイル)で全ページの取材・文章を担当。