【今週グサッときた名言珍言】

「ちょっと、カメラ探しましたよね。今のこの僕の姿を、左上あたりでダウンタウンさんが見てんじゃないかと」(川島明/フジテレビ「おかべろ」9月12日放送)

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 今年3月には「万年2番手だった麒麟川島が転生したら千鳥おぎやはぎ山里を従えるメインMCだった件」(テレビ東京)という番組が放送されるほど、MCをサポートする「2番手」のポジションが定着していた麒麟・川島明(42)だが、今春から始まった朝の帯番組「ラヴィット!」のMCに抜擢され、TBSの「朝の顔」となった。

 川島は現在、レギュラー番組9本を抱える。月〜金曜の「ラヴィット!」のほか、土曜は「シブヤノオト」(NHK)、日曜は「KEIBA BEAT」(関西テレビ)と、全曜日に生放送を持つことから、千鳥・ノブには「刺し身」と言われているそうだ。

 そんな川島が「ラヴィット!」MCのオファーを受けたときのことを回想して語ったのが今週の言葉だ。TBSの楽屋で告げられたこともあり、同局の「水曜日のダウンタウン」のドッキリ企画かと思うほど、現実の依頼とは思えなかったのだ。

 川島は以前、「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ)でコメンテーターの仕事をしていた。不倫や不祥事などの芸能ニュースに「どう思いますか?」と聞かれても、どうも思わなくてコメントがうまくできなかった経験もありワイドショーだけは出ないと決めていた(テレビ東京「あちこちオードリー〜春日の店あいてますよ?〜」20年7月21日)。だから、自分に朝の情報番組のMCは無理だと思ったが、聞けば「完全バラエティー路線で行く」という。それだったら、と思い引き受けた。

 ところが、番組開始前には「ちょっとぐらいニュース扱うかもしれません」「『ヒルナンデス!』みたいに報道フロアからのニュースについて、ひと言やりとりはできますか?」などとスタッフから提案された。それでも川島は「できません、申し訳ない。これをやりだすと自分に嘘つくことになります」と断固拒否(YouTube「佐久間宣行のNOBROCK TV」21年8月4日)。

 その結果、オリンピックの時期でさえ、関連ニュースすら扱わず、出演者から「大喜利番組」と形容されるほど、朝の番組ではあり得ないような、お笑い要素の強い番組が出来上がった。

 そんな川島の“礎”になったのは、いわゆる「天の声」。顔を出さず声だけで進行する仕事だという。出演者が盛り上がっている中、口を挟み、スタッフの意図を反映させながら、必要な情報を入れるのは簡単そうで難しい。どんなタイミングで声を入れればいいのか勉強になり、そこで培った技術が現在の仕事に大いに役に立っているという(「あちこちオードリー」21年7月28日)。

 影の存在として献身的に番組を支え続けた結果、「朝の顔」という日の当たる場所までたどり着いたのだ。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)