【テレビが10倍面白くなるコラム】#115

 朝のワイドショー戦争の主戦場は、かつては午前8時台だったが、いまは6時台に移った。10月1日からTBSが安住紳一郎の新番組「THE TIME,」で殴り込むのも、狙いは万年最下位からの脱出などではなく、ずばりトップ奪取だ。

 目下の世帯視聴率で見ると、民放は「グッド!モーニング」(テレビ朝日系)と「めざましテレビ」(フジテレビ系)がトップ争い、「ZIP!」(日本テレビ系)がそれに続き、「あさチャン!」(TBS系)は1周遅れという状況である。

■TBS敗北の要因は「あさチャン!」

「なぜ6時台が激戦になったかというと、その時間帯の視聴率がそのまま8時台に引っ張られていくからなんです。8時台の世帯視聴率で『羽鳥慎一モーニングショー』(テレ朝系)は1強ですが、これは『グッド!』が上り調子なのも大きい。また、エンタメ色の強い『ZIP!』は学生に支持されていて、それがそのまま『スッキリ』(日テレ系)の個人視聴率トップにつながっています。逆に言えば、TBSの8時台が何をやってもボロ負けなのは、『あさチャン!』がダメだからということになります」(広告代理店ワイドショー担当)

 では、エース安住の投入でどう変わるのか。早朝ワイドは出勤・通学前のあわただしい時間帯なので、難しい解説よりも、ニュースや話題をストレートに短く何回も流す。とはいっても、同じものの繰り返しというわけにはいかないから、そこを安住のコメント力と仕切りのうまさに期待しようというわけだ。

 裏番組の“朝の顔”はすべて女性アナだが、ターゲットは意外にもNHK「おはよう日本」の桑子真帆アナだという。

■安住アナは桑子アナ同様「親しみやすいキャラ」

「『THE TIME,』はニュース重視、系列局とつないだ列島中継という構成になるようだから、『おはよう日本』に近く、安住は親しみやすいキャラという点で桑子と共通しています。つまり、似た番組なので、視聴者を引きはがしやすいということ。同時間帯で最も世帯視聴率が高いのは『おはよう日本』で、平均12〜15%と断トツですが、ながら視聴も多いですから、仕掛けるならここですよね。あとは民放のライバルから少しずつかじり取っていけば、上位争いに食い込めます。金曜日はエンタメ中心で、香川照之の司会ですから、これはもう最強です」(テレビ雑誌編集デスク)

 そして、次の展開として秘かに準備されているのが、「8時またぎ」だ。放送時間の30分延長である。「あさチャン!」の前身の「みのもんたの朝ズバッ!」は、8時30分までの放送だった。8時直前に注目の話題を流して、NHKの連続テレビ小説に視聴者が流れるのを食い止める作戦で、「朝ズバッ!」はこれで視聴率トップになったこともある。つられて「はなまるマーケット」の視聴率もアップ。同じように、安住人気で、墜落寸前の「ラヴィット!」をかさ上げしよう、という計算も働いているだろう。

 いずれにせよ、安住がどれだけ数字を稼ぐかだが、新しい情報番組が定着するには1年はかかる。

(コラムニスト・海原かみな)