国立大学の旧帝大(北海道大・東北大・東京大・名古屋大・京都大・大阪大・九州大)など歴史的根拠を持つグループ分けと違って、私立大学のくくりは、おおよその学力偏差値レベルによるグループ分けである。グループ分けは、大阪の予備校関係者が関関同立(関西学院大・関西大・同志社大・立命館大)というくくりを発明したのが初めてといわれ、当時のおおよその偏差値を目安としたようだ。

 その後、このくくりが受験産業の分析ツールとして重宝され、多用された。ただおおよその根拠となる偏差値の数字は、進研や河合塾などの受験母集団によって、当然違いがあるのであくまで目安で年によって変動する。大学入学共通テストを合否の判断データとして活用している場合は客観的な目安となるが、私大の場合は、統一的な客観性に欠けるといっていい。

■上智大、東京理科大の偏差値上昇で?

 首都圏の「早慶(早稲田大・慶応義塾大)」は早慶戦など戦前からの定番だが、「上理(上智大・東京理科大)」はやはり偏差値の上昇によるものだ。特に上智大学外国語学部の英語とフランス語の両学科の難易度ランクは、2009年度(河合塾)当時は早慶を抜き、人文系トップだった。東京大学の文類合格者が上智大学外国語学部を進学先に選んだという話も聞いたことがある。

 ただ、ここ1〜2年は文学部こそ早慶と同ランクだが、外国語学部はそれより低くなっている。ランクダウンが厳しく、難易ランクの変動が大きい学部だ。

 東京理科大は理工系志向の高まりもあり、同校卒業生に高校の数学や理科の教師が多いせいか、高校からの評価が高い。20年前から高校からの評価として「生徒に勧める」大学として早稲田大学の27.8%に続いて22.3%と高く、現在も早慶に次ぐ数字をキープしている。高校別合格実績では千葉や埼玉の県立高校などの理系受験生に人気がある。付属校入学者が少なく一般選抜の入学者比率が約65%と高いことも、公立進学高の受験生に選ばれやすい理由であろう。

 理と工は、2024年度入試で上智大学の理工と同ランクだ。ただ文理融合型で注目されている経営学部は、青山学院大学と同ランクになっており学部によって違うことも確かだ。また理学部第二部(夜間主コース)化学科 4年生が、令和7年の「歌会始の儀」に入選したが、大学の授業で得られた学びの楽しさにもふれていた。他の大学で二部を廃止する動きが目立つ中で、同大学が伝統の二部をキープしているのも高評価の要因であろう。

■微妙な立ち位置が話題 学習院大学の位置づけは?

 MARCH(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)は首都圏では早慶に続く、難関大学のグループ群だが、トップにプラスしてG(学習院大)MARCHとも呼ぶこともある。しかし、学習院の難易ランクは法政と同ランクなので、トップにGを置くのは不自然なのか、最近はあまり聞かなくなった。

 難易ランクからいうと、学習院大学は「学・成成明学獨國武(成蹊大・ 成城大・ 明治学院大・ 獨協大・ 國學院大・ 武蔵大)」の筆頭として入れるべきという声もある。実際のところ全く広がらないのは、校風の違いが大きいからであろう。あるいは有名私大のくくりとなるMARCHでなく、上皇・天皇の出身校でもあるので、受験関係者の間でも、中堅私大となる成成明学獨國武入りには心理的抵抗感があるのかも知れない。

 ちなみに、成成明学獨國武は中堅私大上位校になっており、河合塾の難易ランク文系で偏差値52.5程度に集中し、医学部などは別にして、50〜47.5前後が多い日東駒専より明らかに偏差値は高い。

 全国的な知名度は日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学)より低いが、東京近郊のシティキャンパスのイメージもあり女子受験生に人気が高いのが、成成明学獨國武の強みだろう。女子受験生のほうが平均的学力は高いからだ。ただ最近は、偏差値による大学のランク付けより、将来自分がやりたいことが学べる学部学科を選ぶ受験生の志向が高まっているので、大学もその志向にマッチした学部・学科づくりに成功するかどうかが、人気の理由になりつつある。

(木村誠/教育ジャーナリスト)

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 著者は"補欠合格"のカラクリについても解説する●関連記事【こちらも読む】上智大は合格者の最大40%も…2021年から急増した「補欠合格」の現状…に詳しい。