先日亡くなった日野原重明医師は105歳まで生涯現役を貫いた。日野原先生のように死ぬまで頭脳明晰でいたいとは誰もが望むことだが、悲しいかな人は中年期から「あれ、何だっけ?」と物忘れが始まるもの。そんなときに強い味方になってくれそうなのが最近話題の“物忘れ改善薬”だ。

 森下仁丹は今年3月、ロート製薬とのコラボで「キオグッド」を発売。90包入り5400円で、1日3包を飲むため30日分ということになる。

 小林製薬は「ワスノン」で、42錠1000円と168錠3700円の2通りがある。このほかクラシエ薬品の「アレデル顆粒」(1900円)も注目されている。

 どの薬もイトヒメハギという植物の根っこを乾燥した生薬「オンジ」を主成分としている。古くから物忘れに効果がある生薬として知られ、中国の古典書「神農本草経」にも記載された成分だ。このオンジが脳を活性化するらしい。

「脳内の海馬に作用し、物忘れを改善します。人の名前を思い出せないとか、いま何をしようとしていたかを忘れるといった症状を軽減します」(森下仁丹広報担当の安田信也リーダー)

「人の記憶には3つのステップがあります。脳に情報をインプットし、その情報を保持し、思い出す力です。これらの機能が低下するから軽い物忘れが起きる。オンジは脳神経の萎縮を防いでくれます」(小林製薬広報・IRグループの西片朋子さん)

■食事や運動でさらに効果が

 医学博士の左門新氏によると、人は加齢とともに脳が衰え、忘れっぽくなるという。

「脳の海馬は記憶を短期的に保持する器官です。必要なものは大脳皮質に移管し、それ以外は消去される。ところが加齢とともに海馬が最初に保持する情報が少なくなる。これが物忘れの始まりです。オンジによって保持機能を温存できるのだと考えられます」

 食事や運動に気を使うとさらに効果が上がるそうだ。

「海馬を含めて脳全体はタンパク質や脂質が十分でないと機能が落ちます。だからバランスの取れた食事が大切。プラモデルを作ったり、パソコンを打つような手指の運動、友達と語り合うサークル活動なども海馬を刺激します。一人暮らしよりも老人ホームに入って新しい仲間とコミュニケーションしたほうが認知症予防になるのはそのせいです」(左門新氏)

 とくにオススメなのが心と体を使うセックス。脳内の血液循環が活発化するため、脳の萎縮を防止できる。物忘れ防止のために浮気を楽しみたい。