夏休み本番を前に、今月18日から始まった米到着便搭乗前の爆発物検査。米政府が先月、世界各国の航空会社にテロ対策強化を呼びかけたことを受け、日本国内の主要航空会社も応じた。検査対象は、パソコンやラップトップなどの電子機器類で、対象者は「無作為」に選ばれるという。検査内容について国交省航空局に問い合わせると「具体的な措置内容に関わることなので答えられない」と素っ気ない。

 国家の安全に関わることだからつまびらかにできないとしても、不透明なプロセスで検査対象者として選ばれた搭乗者の中には、不快に思う人も少なくないだろう。

 ただ、改めて気になるのは、検査の効果だ。航空評論家の秀島一生氏がこう指摘する。

「今回の検査は、あまり意味のあることとは思えません。そもそも、本気でテロ対策を講じるなら、乗客を一人一人検査するのみならず、空港業務に関わる全ての職員を空港内部に入る前に検査しないといけません。もし、そんなことをしたら、業務も人も渋滞してフライトが遅延します。現時点で何らトラブルが生じていないということは、保安検査に時間をかけていないことの証左です。航空・空港会社は、あくまで営業優先なので、検査に時間をかけたくない、というのが本音でしょう」

 実際、日本の空港のセキュリティーは、税関や出入国検査、保安検査や検疫によって異なる省庁が管轄している。縦割りの組織が並列して存在しているため、空港のテロ対策などでうまく連携を取れていない状況だという。

「米国の到着便に限り検査が行われている時点で、しょせんはトランプ大統領への“お付き合い”にすぎないのではないでしょうか。今回の検査によって、仮に、テロ対策としての効果を期待しているとしたらお粗末です」(秀島氏)

 米国の鶴の一声のせいで、航空会社も乗客も“とんだ災難”というワケか……。