国勢調査(2015年)によると、海老蔵さんのように配偶者と死別した男性は165万人で、15歳以上の男性の3.2%に過ぎない。

 同じ境遇の男性は決して多くないだけに、そのつらさは周りには分かりにくい。再婚すれば「薄情だ」「奥さんがかわいそう」と陰口を言われたりする。相手がずいぶんと年下であれば、なおさらだ。まるで浮気か不倫のように捉えられ、「不謹慎だ」と言われかねない。男やもめ、特に父子家庭の再出発は簡単ではないのだ。

■「子供の母親」を求めるとダメ

 だからといって、最初から妻ではなく子供の母親を探すつもりでいると、まとまる話もまとまらない。家族問題評論家の池内ひろ美氏が、こう言う。

「女性は、好きな相手の彼女や奥さんになることを望みますが、子供たちの母親になりたいからという理由で結婚する人はいません。それなのに男性の側は、子供たちの母親になってくれることを第一に考えて再婚相手を探そうとする。女性としてはそれほど魅力を感じなくても、母親としての役割を果たしてくれそうな相手を選ぶのです。これではうまくいきません」

 本気で再婚を考えるなら、まずはこうした“入り口のズレ”をなくさなければダメだ。母親としてではなく、妻として迎え入れる。このスタンスが大事なのだ。

 新しく妻となる相手の不安をいかに軽くするかもポイントになる。

「子供のいる相手との結婚は、女性にとって最もハードルが高いものになります。自分が産んでない子供に対し、自分の時間と気持ちの多くを割くことができるのか、どうしても不安に思ってしまうからです。迎え入れる男性の側には、子供のしつけ、教育、家事での負担を少しでも軽くしてあげる覚悟が必要。自分がやれないところは、シッター、塾、ヘルパーといった民間サービスを利用しながらフォローしてあげるのです。費用は掛かりますが、“母親になるのだから当たり前”と苦労を強いるつもりなら、再婚は難しい」(池内ひろ美氏)

 むろん本人の心の切り替えも欠かせない。

 妻と死別した男性のうち、再婚が難しいのは「ロマンチスト」タイプだという。亡くなった妻との思い出に浸るばかりで、一緒に過ごした時間や場所の整理ができない。身に着けていたアクセサリーや服も捨てられず、それらにまつわる楽しかった過去を呼び出そうとする。現実よりも記憶の中で漂っている感じだ。これでは、いつまでたっても新しい相手を迎え入れようという気持ちになれないだろう。

 スパッと割り切って再婚するには、リアリストに徹するほかない。だれも使わない愛用の品は少しずつ処分すべきだ。

「妻への愛情が残っていたとしても、自分や子供をサポートしてくれる相手を探すのは現実的な選択。女性よりも男性の方がロマンチックで立ち直りが遅いといわれますが、目の前の暮らしを思えば、クヨクヨしていられないはずです」(池内ひろ美氏)

 思い出は心の中で大切にしまっておけばいいのだ。