仮想通貨ビットコイン(BTC)が8月1日に分裂する、しないで大モメ――と聞いてもチンプンカンプンという人も多いはずだ。

「ちょっと乱暴ですが、BTCは『Tポイント』や『ポンタ』のような、全国の提携店で使える共通ポイントをイメージすると分かりやすいでしょう」(ITジャーナリスト・井上トシユキ氏)

 共通ポイントは1ポイント=1円分といった感じで、提携しているコンビニなどで現金代わりになる。大ざっぱに言えば、現金でポイントを買えるのが仮想通貨というわけ。

 目の前に、犯罪で得た現金1000万円があるとする。そのまま使うと足がつく恐れがあるが、ポイントに換えてしまえばリスクが下がる。BTCが“資金洗浄”に悪用されるわけだ。

 そのうえBTCの“提携店”は世界中にある。実際にはポイントカード代わりにスマホのアプリを使ったりするが、ま、世界中で使えるポイントカードみたいなものを想像すればいい。

 たとえば「円」で「ポイント」を買った後に円の価値が紙クズになったとしても、ポイントの価値は下がらない。ポイントは「ドル」とか「ユーロ」圏などでも使えるからだ。円で「ゴールド」を買っても世界中で通用するのと同じで、BTCもゴールドと同じように取引され、価格は変動する。

 もっとも3年前のBTC取引所運営会社「マウントゴックス」(東京、破産手続き中)の巨額消失事件のように、ハッカーにポイントを盗まれる危険はつきまとう。

 で、BTCの分裂騒動だ。ざっくり言うと、BTCの利用者が急増し、既存のシステムでは処理し切れなくなった。改善しようと7月下旬に規格が変更されたが、そのあおりで収入が減りそうな中国の大手民間事業者らの不満はくすぶっている。それで8月1日から新規格の「ビットコインキャッシュ(BCC)」の導入を強行しようと……。

「利権を巡ってTポイントと新Tポイントに分裂するようなものです。仮想通貨には中央銀行がなく、利用者全員で管理するので、いずれ学生運動みたいに“内ゲバ”や“分派活動”が起きるだろうということは、以前から指摘されていました。今後、新たな分裂騒動が起きたとしても不思議はない」(前出の井上トシユキ氏)

 近所のコンビニで使えたポイントカードがいきなり使えなくなる。それじゃ不便極まりない。