台風やゲリラ豪雨になると、JAFには多数の救援要請が寄せられる。中でも最も多いのが、「冠水車両の牽引」だ。

 テレビニュースなどを見ていても、「行けるかな?」というドライバーが冠水路に無理に突っ込み、見ている方は「ダメダメダメ!」とハラハラ見守りながら、やっぱり途中でエンストしてしまっている車両が多い。

 では、車は水深がどれくらいまでなら走れるのか? JAFに聞いてみた。

「車はある程度の冠水や浸水に耐えられるよう設計されていますが、一般的に走行可能とされる水深は、乗用車であればドアの下端、つまり床面がつからない程度までになります。途中で車体が水に浮いて動けなくなったり、エンジンの吸気口が水を吸ったり、排気管がふさがれてエンジンが停止することもあります。また、絶対にやってほしくないことは、水が引いた後に車を取りに戻り、エンジンをかけること。破損や感電の恐れがあります」(広報担当者)

 JAFでは、車の水没時の実験映像をユーチューブなどで公開しているが、実際に冠水路(30メートル)を使った走行テストも行っている。

 まずドアの下端である水深30センチの場合、セダンタイプとSUV(スポーツ用多目的車)の2車種とも無事に走行できた。しかし、水深が60センチ(男性の膝上の高さ)になると、雲行きが怪しい。セダンは完全にアウト。SUVでも時速10キロのノロノロ運転なら走行できたが、30キロで突入したところ、わずか10メートルでエンストしてしまった。

「高速で巻き上げられた水がエンジン下部から入り込んだためです。また浸水時の衝撃も大きく、車体が一瞬、浮き上がってハンドルが取られました」(前出の担当者)

 アニメ映画「崖の上のポニョ」でも台風時に運転していたが、絶対にやめた方がいい。