駅や空港は行楽客の家族連れでごった返しているが、夏休みほど子供の格差が開きやすいという。なぜか。学習支援団体「八王子つばめ塾」の小宮位之理事長が言う。

「夏休みにはたくさんの宿題が出されますが、ひとり親で昼夜働きづめだと、子供は分からない問題を親に聞くことができません。塾に通う余裕がない子供だと、1学期の復習もできません。夏休みにかけられる教育費によって、子供たちの学力は差がつきやすいのです。受験生は、多くの子が夏期講習や塾の夏合宿に通いますが、それができずに、志望校を諦めたり、高校進学のモチベーションを落としたりする生徒がいるのです」

 日本能率協会の2016年の調査によると、夏休みの自由研究のテーマは、「親子で話し合って決める」小学生の親が8割に上る。親が仕事に追われていると、それもままならない。自由研究の成果は2学期の成績に反映されるため、さらに格差が開くのだ。

 母子家庭のうち正社員は4割で、パート・アルバイトなど非正規が5割弱。その平均年収は125万円と心もとない。

「時給で働く親は、そもそも夏休みをとる余裕がありません。働きづめで休みは、体を休めたい。そんな事情から、どこにも行けない子供も多くいるのです」

 都内で子供食堂やプレーパークの運営に関わる女性もこう話す。

「『家族で旅行に行ってきたよ』と笑顔で話す子がいる一方、給食がない夏休み中は、昼食をインスタント食品で済ます子もいます。旅行などの遠出はもってのほかで、夏休み中の体験量に大きな差が出るのです」

 夏休みほどサポートを求めている子供たちがいるのだ。