最近のアパートの家主は、独居世帯の増加に頭を抱えているそうだ。内閣府によると、一人暮らしの高齢者(65歳以上)は、全国にざっと600万人(2015年)で、25年には700万人に膨らむという。

 そこで社会問題化しているのが孤独死だ。日本少額短期保険協会の調査では、孤独死の平均年齢は59歳。男性の場合は、仕事関係や管理会社、宅配業者などに発見されることが多いという。

 発見までに平均40日前後かかるので、異臭騒ぎを起こしてしまうケースも珍しくない。同協会は孤独死の後片付けにかかる費用を試算していて、清掃代などに60万円を必要としている。こうした費用は保証人が負担することになっているが、実際は家主が払うのがほとんど。保証人と連絡が取れないことが多いからだ。

 そこで需要が高まっているのが、賃貸物件のオーナー向けの保険。アイアル少額短期保険の「無縁社会のお守り」、e―Net少額短期の「Re―Room」などがそれだ。

「瑕疵(かし)物件になった際の家賃の値下げ、空室リスクの家賃保証をするものです。補償内容は各社によって違いますが、原状回復費用100万円や事故後の家賃保証200万円といった具合。孤独死問題は深刻な上、“座間9遺体”のような事件もありますから、保険に対するニーズが高まり、種類も増えているのです」(ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏)

 借り主の側もまさかへの備えが必要。遺品整理代、葬儀代など100万〜200万円ぐらいは用意しておきたいものだ。

「既往症があって保険に入るのが難しい人は、少額短期保険の葬儀費用保険がいいでしょうね。フローラル共済『フューネラルサポート絆』、SBIいきいき少額短期『あんしん世代』、メモリード・ライフ『葬儀保険』、NP少額短期『葬祭費用あんしんプラン』、ベル少額短期『千の風』などがあります。病歴があっても79歳ぐらいまで加入できます。中には99歳まで延長可能な商品もありますよ」

 ちなみに「隣の部屋の孤独死や事件が原因で引っ越しする際に、その費用をカバーしてくれる保険はない」そうだ。