ネットショッピングで商品名を検索して送金したのに肝心の商品が届かない――。こんな詐欺サイトがヤフーやグーグルの検索上位に表示され、カネをだまし取られる被害が増えていることが「日本サイバー犯罪対策センター(JC3)」の調査で分かった。詐欺サイトはブランド品の腕時計やバッグのほか、スポーツ用品、日用雑貨などを掲示している。

 JC3はこうした詐欺サイトが今年7〜12月だけで1万9834件に上るとしている。5月以降、サイトに記載された口座に約2億4000万円が入金されたという。

 サイトの検索順位を上げる手法は「SEO対策」と呼ばれている。「サーチ・エンジン・オプティマイゼーション」の略で、HPを上位に表示させる「検索エンジン最適化」の意味。上位にあると利用者はつい信用してしまう。そうした心理効果を狙った行為だ。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏によると、もともとSEO対策はコンサル会社がHPを上位にしたがっている企業の依頼を受け、正当な業務として行っていた。これを詐欺業者も行うようになったという。

「ヤフーもグーグルも、コンピューターがある法則性でサイトの順列を決めています。一種の計算式です。その仕組みは極秘事項ですが、詐欺業者はどんな構成の、どんな言葉が多いHPが上位にくるかを時間をかけて割り出す。HPの評価を高める方法を発見し、上位に表示させるのです。検索サイト側は安全対策のために計算式を不定期に変更しますが、詐欺業者は見破ってしまう。まさにイタチごっこです」(井上トシユキ氏)

 JC3はサイトの日本語表記がおかしくないか、事業者名や住所、電話番号、責任者の記載があるかをチェックするよう指導しているが……。

「詐欺サイトは少し前までは外国人が奇妙な日本語を表記していましたが、今は日本人を仲間に引き込んでいるため、文章がしっかりしています。しかも特定商取引法に触れ、ウソの住所や代表者名を明記しているため、うっかり信用してしまうのです。URLの末尾が『.top』『.xyz』『.bid』で終わるサイトや振込先が個人名義の場合は怪しいので注意が必要です」(井上トシユキ氏)

 ネット業者は玉石混交。詐欺師が待ち構えている。