西日本豪雨、台風21号、北海道地震と大災害が相次いでいる。災害に便乗した悪徳商法はいつものことだが、損害保険を前面に出した極めて巧妙なインチキ商法が激増している。なんと10年前の30倍。「業者の間に手口のノウハウが広まっているのではないか」(国民生活センター・相談情報部の担当者)というから恐ろしい。

「損害保険を使って自己負担ゼロで住宅の修理ができる。保険金が出るようにサポートします」――。悪徳業者はこう誘う。自然災害で住宅などに生じた損害に対して保険金を請求することは正当な権利だし、それを業者が対価を得て手伝うのもアリだ。だが、実際は負担ゼロには程遠く、業者は豹変する。
<数年前の大雪でゆがんだ屋根について「保険で負担なく修理ができる」と言われた。ところが下りた保険金が少なく、修理できなかったが、保険手続きのサポート代として、30%の手数料を請求された。手数料の説明は事前になかった>(70代女性)

 もちろん、この手数料は損害保険で賄えない。さらに、損害保険は、自然災害ではない経年劣化による損傷は対象にならないが、悪徳業者は“悪魔のささやき”をしてくる。
<一部、破損している雨どいの修理を損害保険で進められた。「雨どいは経年劣化での破損なので保険適用は無理なのでは」と指摘すると、業者に「保険の申請の時、私どもの方でうまくやるので大丈夫」と言われた>(60代男性)

 もし、保険金請求が「ウソの理由」と分かれば、返金、保険契約解除にとどまらず、本人も刑事罰(詐欺罪)に問われる可能性がある。

「被災者は誰でも、極力保険を活用して、一刻も早く修理したいと考えています。そんな時に『保険を使って負担ゼロ』『面倒な手続きはこちらでやる』と言われれば、話を聞いてしまうようです。契約をする前に、必ず、ご自身が加入している保険会社に一本電話して、相談してください。それでトラブルが防げたケースも少なくありません」(前出の担当者)

 うまい話には、すぐ飛びつかないことだ。