加齢によって体毛の状態は変化していきます。老化が進むと髪の毛は薄くなるのに、眉毛、耳毛、鼻毛などは伸びやすくなるという不可解な現象が起きる。特に男性の体毛と老化には大きな関係があります。

 体毛は成長と休止を行いながら、生えたり、抜けたりといったサイクルを繰り返しており、このサイクルを毛周期と呼びます。伸びるスピードと毛周期で毛の長さが決まります。眉毛は伸びるスピードが遅く、毛周期が約3カ月と短いため、一定の長さに到達すると成長を止めて自然と抜け落ちていきます。ちなみに髪の毛は毛周期が約4年と長いため、切らないとどんどん伸びてしまいます。

 毛周期が適切に働いていると、眉毛は切らなくても伸び続けることはありませんが、老化で毛の成長を抑える遺伝子の働きが低下すると、毛周期の乱れが起きて長くなります。そのため、本来は抜け落ちるはずの眉毛がそうならず、伸び続けてしまうのです。

 鼻毛も耳毛も同じ。加齢によって毛周期が長くなるため、目立ちやすくなるのです。鼻毛や耳毛が長くなる現象が男性に多く見られるのは、老化により体内の女性ホルモンが減少してしまうことと関係が。女性ホルモンが減少すると、どうしても男性ホルモンの影響が大きくなる。

 耳毛は、ひげや胸毛と同じように男性だけに生える男性毛に分類されているので、男性ホルモンの影響で太く濃くなります。また、鼻毛は鼻の中の肌細胞が老化によってたるみ、生え方が下向きへと変わるため鼻毛が出やすくなります。

 都会の汚れた空気のせいで鼻毛や耳毛が伸びるといわれていますが、根拠はありません。眉毛も耳毛も鼻毛も、長く伸びたとしても健康に害はないですが、身だしなみとしてある程度手入れをすることは必要でしょう。毛抜きでむやみに抜くのではなく、ハサミや専用カッターで、粘膜や皮膚を傷つけないようにカットしてください。

(国際医療福祉大学熱海病院検査部・〆谷直人部長)