文科省の調査では、平成29年度の不登校児童生徒数は14万4031人と過去最多を記録。千人当たりの不登校児童生徒数は28年度から大幅に増加している。もはや不登校は、どの親にとっても“よその家庭の話”とは言えない問題だ。

 カリフォルニアで10年以上臨床経験がある臨床心理士の道地真喜氏は、ITを使った家庭教材を扱う「すららネット」で、不登校や発達障害などの子どもの支援を行っている。保護者からはさまざまな悩みが寄せられるが、その一つが、冒頭のような「不登校への罪悪感」について。それは、「学校に行けない罪悪感から子どもが自信をなくし、勉強も全く手に付かない」「学校に通っていないことに罪悪感があり、家から出られず、部屋を暗くして、こもっていることが多い」――。

「不登校に罪悪感を抱く必要はありません。アメリカでは不登校であっても、家で勉強して内申につなげるという方法があります。日本でも、ある条件を満たせば出席扱いになる制度があります。学校に行くことが唯一ではない。大切なのは、子どもに選択肢と責任を与えること。学校に行かないのは一つの選択肢。しかし、そこに責任が生じることを伝えるべきです」(道地氏)

 学校に行かないのは、いい。しかし、午前中テレビを観たり、ゲームをしたりするのはNG。学校に行かない代わりに、勉強をする、机に向かう、家の手伝いをする、カウンセリングを受ける――。こういった選択肢を子どもに与える。一方で午後は、学校に行っているほかの子どもと同様に、テレビを観たりゲームをしたり友達と遊んだりするのをOKとする。

 親の中には、不登校で罪悪感を抱く子どもを不憫に思い、親から「ゲームをしていいよ」と言うケースも。しかし、これが往々にして招くのは「ゲーム好きが増して学校へ行かなくなった」。

 もし子供が、「学校に行かない。でも、自分で選択したことに責任を負わない」という状況で、子どもを叱る場合は、「プラスの罰」ではなく「マイナスの罰」を与える。「プラスの罰」は、たとえば「子どもが嫌がることを加えることによってその行動を減少させる」。

「これは、一定の効果がありますが、ある時点を超えると慣れて効果がなくなります。それよりも、『子どもの好きなものを取り上げることでその行動を減少させる』といったマイナスの罰の方が効果があるのです」

 決めたゲームの時間を守れないなら、明日はゲームの時間はなしだからね、というのはマイナスの罰だ。ここで大切なのは、「〜の時に、〜したら、〜する」という姿勢を、ブレさせないこと。「午前中の勉強時間に、ゲームをしたら、明日のゲーム時間はなしにする」という日もあれば、「午前中の勉強時間に、ゲームをしたが、親が今日は疲れているからと見逃す」という日もあるのでは、子どもは親の行動を理解できず、やがて、親の言葉を聞き入れなくなる。

 覚えておこう。