年末年始にコロナ不況対策の経済支援金が次々と期限を迎える。ところが、菅政権は国民に安心を与える新たな一手を打とうとせず、相変わらず、「自助」を強調し、的外れの政策に終始したままだ。年末の「経済危機説」が現実味を帯びる。

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 従業員を解雇せずに休ませた企業に支給する雇用調整助成金の特例措置が年内に終了する。4月からの特例措置では1日当たり8330円の上限額が1万5000円に増額され、中小企業には国が100%助成してきた。

「特例措置のおかげで何とかやってこれた中小企業も少なくない。新たな代替支援がなければ、特例が切れるタイミングで、従業員の解雇に踏み切ったり、倒産や廃業を決断する企業も出てくるでしょう」(経済誌記者)

 売り上げが大きく減少した中小企業や個人事業主に最大200万円を給付する持続化給付金と、最大600万円の家賃支援金も来年1月15日で申請期限を迎える。財務省は26日、財政制度等審議会の部会を開き、予定通りの終了を提言した。部会では「事業が芳しくない企業の延命に懸念を持っている」といった声が相次いだ。

ドケチ政権が目指すのは過酷な淘汰社会

 長引くコロナ不況の中、事業継続に向けた懸命の努力を“延命”と捉える発想は菅首相の考えとピッタリだ。

 菅首相は「中小企業半減」を持論とする元ゴールドマン・サックスのアナリスト、デービッド・アトキンソン氏を「成長戦略会議」のメンバーに据え、過酷な淘汰社会をつくり上げるつもりだ。立正大客員教授(税法)の浦野広明氏が言う。

「コロナ不況は引き続き深刻です。ところが、菅政権は経済的に余裕がある人しか恩恵を受けない『Go To キャンペーン』を進め、時給生活者には地獄の17連休を打ち出した。デジタル化も長期的な話で、いま困っている人には何の役にも立ちません。支援金の期限が近づく中、次の給付を一刻も早く打ち出して、少しでも希望を持たせるのが政治の責任のはずです」

 給付に消極的なのは財務省だけではない。二階幹事長は26日、10万円の定額給付金の追加支給について「財政の現状から考えて、国民の皆さんが喜んでくれるからといって安易に続けるかどうかは慎重に考えていきたい」と財布の紐を固めた。公明党が提案していた受験生への一律2万円支給も、「聞いていない」など自民党の反発で撤回。事業総額は280億円程度なのにあまりにもケチだ。

 所信表明で菅首相は経済対策の継続に言及したが、「延長する」との明言は避けた。

「財務省の意向もある中、困窮者を救えるような大胆な支援策を打ち出すとは思えません。そもそも菅首相自身が“つぶれればいい”という考えですからね。年末年始に倒産、廃業、失業が続出するのではないか」(浦野広明氏)

 厳しい越年になりそうだ。