【60歳からの究極のお金の使い方】#50

「持ち家か、賃貸か」。住宅購入を考えることの多い30〜40代だけではなく、60歳目前でも、どちらがよいのか迷うことがあります。

 60歳を過ぎると収入は少なくなりがちですし、年金生活ではさらに減るかもしれません。住居費は毎月の生活支出で割合の大きい固定費です。これまで賃貸派だった人は、賃貸のままでよいか、買った方がいいのかと悩むようです。

 買う場合、十分な蓄えからの一括購入であれば問題ないでしょうが、住宅ローンは若いときより審査が厳しくなります。再雇用、年金生活などで経済力が低下し、収入減が予想される年代なので審査は通りにくくなります。

 また、家を持つことで長く支払わなくてはならない支出が増えます。毎年の固定資産税、一定期間ごとの火災保険料などです。メンテナンス、リフォーム、修繕なども自分で計画し、費用負担しなくてはいけません。何らかの事情で住み替えを希望しても、簡単にはできません。

 また、家は資産だと思っていても、子どもにいらないと言われてしまうかもしれません。

 では、ずっと賃貸はどうでしょう。毎月家賃の支払いが必要となります。税金などの支払いはありませんが、契約期間ごとに更新料がかかります。また転居したいと思っても、新しい物件を見つけにくくなります。収入が少なくなり、家賃の支払い能力が低いと判断されやすいこと、高齢者世帯では孤独死が起こり事故物件になる可能性が高いなどの理由からです。

 それでも最近は、高齢者向け賃貸住宅も出てきており、以前よりは見つけやすくなっています。物件のメンテナンス、管理は管理会社がしてくれるため、その点の負担は軽減されます。

 このように、持ち家、賃貸それぞれに一長一短があり、老後に負担する金額にも差が出ます。毎月の収入や老後資金の状況を確認のうえ、希望する暮らし方を考えながら、総合的に判断するのが望ましいと思います。

 60歳前後では、すでに持ち家という人もいるでしょう。その場合は、生活を補填する蓄えはもちろんのこと、固定資産税、火災保険、リフォーム費用なども準備しておいてください。ローン返済が終わっていても、住居にまつわるお金は一生かかるものです。60歳以降、住居とどのように付き合っていくか、じっくりと考えておきましょう。

(横山光昭/家計再生コンサルタント)