【プロキャディー25年 梅ちゃんのツアー漫遊記】#21
前週の国内女子ツアー開幕戦(ダイキンオーキッドレディス)は、岩井千怜選手の連覇が懸かっていました。初日は雨と強風により平均スコアは76.1296。岩井選手も2オーバーで首位に6打差と大きく出遅れましたが、徐々に盛り返し連覇を果たしました。すごい!
僕はダイキンで連覇の懸かる選手のバッグを2度担いだことがあります。
1度目は2001年大会。前年に完全優勝を成し遂げた藤野オリエさんです。当時は3日間大会でこの年も初日から2日目まで首位をキープ。最終日は2位に3打差発進ですから、2年連続完全Vに期待が懸かり、僕も逃げ切り濃厚とみていました。
ところが、最終日は最大瞬間風速が21メートルを超える強風が吹き荒れ、まさかの大崩れ。藤野さんが育った静岡の葛城GCも風が強いことで有名です。それでもあれだけの強風はどうにもなりません。
そんな試合で優勝したのは、レジェンドの不動裕理さん。最終日は唯一、アンダーパーで回り、藤野さんとの6打差を大逆転したのです。
当時は選手と一緒に移動していた頃ですから、沖縄入りも、試合後に名古屋に戻る飛行機も藤野さんと一緒。試合後も落胆せずに明るかったのは救いでしたね。
2度目は2014年の森田理香子ちゃん。前年の優勝は僕がキャディーで、同年は賞金女王に輝きました。通算5アンダー首位タイで最終日を迎え、前半にスコアを伸ばして迎えた11番パー5。十分に2オンできる距離で僕はスプーン(3W)を渡しました。その第2打は左からの強い風に乗り、右サイドのOBへ。これは僕の完全なジャッジミスです。おそらく理香子ちゃんは「スプーンでは少し大きいかもしれない」と思って振り切れず、プッシュアウトしたんじゃないかな。そんなことは一言もいわず「自分のミスショットです」と言ってましたが……。実際、打ち直しの4打目はクリーク(5W)でグリーンをキャッチしましたから。
最終18番パー5はトップに2打ビハインド。プレーオフにはイーグルがマストです。右からの逆風でピンまで240ヤードのセミラフ。ここで理香子ちゃんは「直ドラ」でグリーン手前に運びました。そこからチップインのイーグルを狙うも、ミスしてグリーンオーバー。連覇はなりませんでした。
「僕のミスがなければ……」と、大いに悔やんだものです。
藤野さんの連覇を阻んだ強風は異常でしたが、最終日に強い風が吹く中、3打差くらいで首位から発進すると、選手にとってはマイナスでしかないような気がします。悪天候の時にパーをセーブしていると順位が上がっていくこともありますが、「この強風なら1オーバーくらいでも勝てるんじゃないか」という心理から、どうしても攻める気持ちが薄れてしまう。守りに入って、崩れていった選手を何人も見てきました。
ゴルフファンの皆さん、強風や大雨の時、優勝を争う選手の心理状態を読みながら観戦してみてはいかがですか。
(梅原敦/プロキャディー)


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