意外な名前がセの打率トップに立っている。昨19日のオリックス戦でも3打数2安打2打点と活躍し、打率.342で首位打者をキープしたDeNAの宮崎敏郎(28)だ。昨年までの入団4年間の通算打率が.283だった男がバットマンレースを牽引しているのだ。

 小川打撃コーチがこう言う。

「変化球の見極めができるようになった。もともと、手首の柔らかさとヒジをうまくたためる器用さはあったんです。だから、ボールを手元まで引き寄せられる。それが、選球眼にもつながるようになった」

 実際、三振数はリーグ最少の19(52試合)。打率.333で2位につける広島・丸の55三振(67試合)に比べてもはるかに少なく、「右の安打製造機」の異名を取るソフトバンクの内川(53試合で17三振)に匹敵する数字だ。その確実性には、ラミレス監督も「バットコントロールはセ・リーグでナンバーワン」と太鼓判を押すのだが、その技術を支え、才能を花開かせたのが、豊富な練習量である。選手やコーチの誰に聞いても、「練習の虫」と口を揃える。デーゲームの日は朝7時前には球場入りし、ひとり黙々とバットを振っている姿はベイスターズの日常的光景だ。

 本人が淡々と言う。

「大学時代(大分・日本文理大)に一度だけ、コーチから『もう練習するな』と練習を止められたことがあります」

 チームの後輩、嶺井博希(26)が言う。

「人を観察するのも得意で、飲みに行くと相手チームの情報とかクセとか気になったところを教えてくれるので、捕手としてすごく参考になる。あ、酒はめちゃくちゃ強いです。僕なんてとてもかないません」

 プロ入り前はケガとは無縁だったが、入団1年目に腹斜筋を肉離れ。今年4月には左脇腹を痛めて抹消された。そのため、体調によってバットを使い分けるようになった。重さ850〜880グラムのバット2〜3種類を用意、疲労を感じるときは軽いものを使う。

「故障を経験してから、マグネシウムや水分を多く取って肉離れの予防をしたり、疲労がたまるシーズン中は筋トレを休みの日だけにしたり。外食に行っても先に野菜を食べるようにしています。あ、でも、ブロッコリーだけはダメ。見た目が“森”みたいで食べられません(笑い)」