世界最速男の“後継者”が圧倒的な強さを発揮した。

 陸上の世界選手権(ロンドン)は8日(日本時間9日未明)、男子400メートル決勝を行い、世界記録(43秒03)保持者のウェード・ファンニーケルク(25=南アフリカ)が43秒98で連覇を達成した。

 ファンニーケルクは上々のスタートを切ると最終コーナーを回ってトップに。最後の直線でライバルの猛追を受けたが、最後は流すようにゴールした。

 15年北京大会で優勝し、一躍、世界から注目を浴びた南アのスプリンターは400メートルに加えて、自己ベストはそれぞれ100メートル9秒94、200メートル19秒84と、いずれもトップレベル。今大会を最後に引退を表明している100メートル(9秒58)、200メートル(19秒19)の世界記録保持者であるウサイン・ボルト(30=ジャマイカ)もファンニーケルクの素質を絶賛。「俺が引退した後は、彼が陸上界を引っ張っていくことになるだろう」と後継者に指名しているほどだ。

 今大会の注目度はボルトのラストランにも引けを取らないが、ファンニーケルクの市場価値はすでに世界最速男を上回っているという。

 複数の南ア・メディアによれば、同国市場の開拓、拡大を狙う企業の間では、早くからファンニーケルクの争奪戦が展開されてきた。報道によると、15年の世界選手権終了後にはスポーツ用品メーカーが13年総額約221億円でスポンサー契約。1年当たり約17億円で、これはボルトが同業他社から得る約11億円を大きく上回る金額だ。

 世界新をマークしたリオ五輪後には、世界的な企業の関心を集め、大手信販会社や欧州の通信企業、自動車や家電、時計メーカーの計5社が新たにスポンサー企業に加わった。シーズンオフには各企業の販促イベントで世界中を飛び回り、ボルトも顔負けの多忙な日々を送っている。

 昨年は金メダル、世界新合わせて、各企業から総額で約3000万円のボーナスが支給されたといわれる。米経済誌フォーブスによれば、昨年のボルトの年収は賞金を含めて約36億円。ボルトには及ばないものの、ファンニーケルクには約30億円の収入があったとされる。

 ファンニーケルクは陸上界の稼ぎ頭としてもボルトの後継者だ。