禁止薬物を摂取した広島のバティスタ(27)に処分が下った。3日、NPBアンチ・ドーピング調査裁定委員会は6カ月間の出場停止処分を発表。期間は今年9月3日から2020年3月2日までとなる。

 期間を見ると、半分以上がオフシーズン。練習やキャンプで広島の施設を利用できないとはいえ、処分は3月3日には解除され、来季の開幕には間に合う計算になる。ネット上で「大甘だ」「オフの期間も含まれる出場停止処分なんてあり?」「これじゃ、やったもん勝ち」と批判の声が噴出しているのも当然だろう。

 MLB(大リーグ)の場合、1回目の違反は80試合(シーズン半分相当)の出場停止、2回目の違反は162試合(1シーズン)、3回目の違反で永久追放と定められている。のちの調査で軽減されることがあるとはいえ、明確だ。

 NPBに問い合わせると、「担当者が不在」としたうえでこう答えた。

「アンチ・ドーピング規則違反に関する制裁の決定は、(NPBアンチ・ドーピング)調査裁定委員会が下したものです。この委員会のメンバーは選手会、コミッショナー、ドクターらで構成され、彼らが話し合って適当な処分を決めることになります。ですので、一概に『この物質が検出されたから何日間』という規定はありません。これまでの事例では期間での処分ですが、期間での処分だと決まっているわけではなく、場合によっては試合数という決定が出される可能性もあります」

 とはいえ、過去の日本プロ野球でのドーピング違反の処分を見ると、試合数による出場停止のペナルティーを受けた選手はひとりもいない。これでは、処分の時期によって不公平が生じるのは明白だ。

■かつての大リーグ「薬物蔓延による野球人気低下」

 大リーグに詳しい野球文化学会会長で名城大准教授の鈴村裕輔氏はこう言う。

「大リーグではかつて薬物は公然の秘密とされ、使用が横行していました。しかし90年代後半、ドーピング違反によって活躍したメジャーリーガーに憧れていた高校生が薬物の過剰摂取で死亡。これが大きく報じられ、大リーグへの批判が高まると、MLBはWADA(世界反ドーピング機関)から名指しで批判されるようになった。04年に『5回の違反で1年間の出場停止』という規定を導入。薬物の蔓延で野球人気が低下し、若い有望な選手がNHLやNFLに流出する傾向があったため、早く手を打たなければという動きも、厳罰化のきっかけになりました。大リーグの場合は誰でも同じ制裁を科す、ある意味で平等です。日本は性善説で成り立っているところもあり、甘い部分があるかもしれません」

 ペナルティーにもフェアプレーが求められる。