球界は大騒ぎになっている。

 阪神の藤浪晋太郎(25)が大阪府内の病院でPCR検査を受け、新型コロナウイルス感染が判明。藤浪と食事を共にしていた他の2選手も陽性だった。数日前から、感染者特有の味覚障害の症状が出ていたという。

 阪神は対応に大わらわだ。26日、二軍施設の鳴尾浜で予定されていたソフトバンク戦を急きょ中止とし、一、二軍ともに最低1週間の活動休止を決定。藤浪が練習で使用していた鳴尾浜と甲子園の施設を消毒した。

 阪神OBがこう言う。

「藤浪と一緒に食事をした2選手の感染が判明し、クラスターも懸念される。阪神は選手に遠征先での外出制限を設けていなかったそうだが、巨人など複数球団は遠征先では外出禁止にしていた。在京球団の中には、地元であるにもかかわらず、歓楽街である銀座や六本木への立ち入りを禁止しているところもある」

 もっとも、他の11球団にとっても対岸の火事では済まない。藤浪が検査を受けることが決まった時点で、27日から予定されていた二軍の広島戦、31日からの中日戦が中止になった。4月3日からのソフトバンク3連戦も中止だ。

 そもそも12球団はコロナ騒動の渦中であるにもかかわらず、開幕が4月24日に再延期されるまでの間、一、二軍ともに練習試合を行い、全国各地を転戦していた。二軍は今も練習試合を継続している。ただでさえ、感染リスクが高い環境にいただけに、今後、感染する選手が続出しても何ら不思議ではない。

 阪神は藤浪らの感染が疑われた段階で、そこらじゅうを消毒したり、チームを1週間の活動停止にしたほどだ。コロナ陽性者が出ればもちろん、検査を受ける選手が出ただけでも球団は身動きが取れなくなる。世間にも開幕は無理だ、というムードが漂いかねないし、実際、開幕どころではなくなるだろう。

開幕実現の不確実要素

 それもこれも、NPB(日本野球機構)と12球団が、4月24日という早い時期に開幕日を設定したことに原因があるのではないか。

 日本の現状を直視すれば、4月24日開幕の実現には不確実要素が多い。この日、関東の1都4県は外出自粛を要請。政府も緊急事態宣言の施行を見据えた対策本部を設置した。東京都はすでに4月12日まで大規模イベントの開催・参加を自粛する要請をしている。

「4月24日に開幕を設定したのは、選手のモチベーション維持に加え、経営の問題もある。開幕日が後ろになればなるほど、公式戦の全143試合開催が難しくなり、結果的に入場料収入や放送権収入が減る。各リーグ、各球団のスポンサーは143試合開催ありきで契約をしているため、契約の見直しも生じるでしょう。とはいえ、開幕日を早い時期に設定した結果、各球団はコロナ禍の終息の見通しが立たない中で動かざるを得なくなる。

 パは4月10日、セは14日に再開を予定している練習試合は典型です。またしても開幕が延期になれば、選手は感染リスクを抱えながら、意味のない実戦を余儀なくされる。MLBが莫大な損失を覚悟してキャンプ施設を閉鎖するなど、まずは選手、関係者、観客の感染リスク回避を最優先に動いたのとは対照的です」(球界OB)

 急いては事を仕損じるということわざもある。欲をかいて早い開幕ありきで動いたことで、事態はいよいよ深刻になりそうだ。