滞空時間の長い、“らしい”当たりだった。

 巨人の中田翔(32)が23日の広島戦で移籍後初の「7番」で出場。二回2死一塁から、広島の先発左腕・玉村の143キロを高々と打ち上げた打球は左中間席で弾んだ。

 先月22日以来となる1カ月ぶりの一発。「チームの足ばっかり引っ張っているので、これからもっと打っていけるように、自分のスイングをしっかりしていきます!」とコメントしたが、六回の第3打席の2球目に自打球が左足に直撃。続く3球目に左翼フェンス際に大飛球を放ったものの、正随の好守に阻まれ、その裏の守備からベンチに下がった。

 日本ハムで暴行事件を起こし、無償トレードで巨人に移籍後は打率.150の不振。11日に二軍落ちしたものの、イースタン・リーグでは6試合で打率5割、4本塁打、13打点と打ちまくり、最短の10日間で一軍復帰を果たした。二軍で何があったのか。

 阿部慎之助二軍監督(42)の「再生手術」を見た二軍の球団関係者がこう語る。

「最初に阿部監督とファームのコーチが話し合ったのは、悪いところがはっきりしているので、そこを直すことに専念させようということ。具体的には、しっかりスイングができていないので、どうやったらバットを振れるようになるかを考えたそうです」

ファーム関係者からは「結構マジメじゃん」の声

 見つけた答えは「下半身強化」だった。前出の関係者が続ける。

「阿部監督は『下半身がもろくなっているから振れないんだ』と“診断”。主に若手がやる大股を開いて打つティー打撃を課し、下半身の強化に取り組んだ。腰の状態が悪いのは聞いていたけど、下半身を鍛えるには、走ることも必要。中田が嫌いだというランニングメニューも課した。『きつい』『きつい』と弱音を吐きながらも、文句は言わず、ジャイアンツ球場の外野を走っては芝生にぶっ倒れていました」

 阿部二軍監督の狙い通り、なまっていた下半身を叩き直すことに成功。「移籍当初は打席で前に出されていたけど、球をゆっくり見られるようになってきた」(前出の関係者)と変化が見られると言う。

 二軍落ちした日、中田は二軍の首脳陣や関係者に丁寧にあいさつをして回ったという。別のファーム関係者は「日ハム時代はそんなキャラじゃなかったって聞くけど、『意外にちゃんとしているな』とか『結構マジメじゃん』と関係者を驚かせていました」と証言する。

 今やすっかり「いいやつ」に変貌。さらに“阿部先生”の手術を受け、再生した中田は一軍の戦力になれるのか――。今怖いのは「腰」に抱える爆弾かもしれない。