日本時間18日に行われたWBC準々決勝のメキシコープエルトリコ戦は、メキシコが5−4で勝利。同21日の準決勝で日本代表と対戦する。

 メキシコ代表には現役メジャーリーガーが多数参加。1次ラウンドで米国を撃破しての1位通過だ。

 日本代表にとって、今大会で初めてぶつかるであろう高い壁。投手戦になるか打ち合いになるか、いずれにしても、これまでのような楽な戦いはさせてくれそうにない。

 しかし、そんなメキシコにも穴、欠点はある。大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏は「これは中南米の選手にありがちですが」と、こう続ける。

「感情を爆発させて後先考えない行動に出ることが少なくない。さらにチーム一丸で団結し、集中力が高まっている時は恐ろしい相手だが、その集中力が長く続かない傾向もある。今大会ではメキシコの遊撃手、ルイス・ウリアス(ブルワーズ)が、12日のコロンビアとの延長戦でさほど難しくない打球をファンブル。この隙に三塁走者がホームインし、格下のコロンビアに決勝点を献上してしまった。プエルトリコでもエース格のホセ・ベリオス(ブルージェイズ)は元々好不調の波が激しく、13日のベネズエラ戦では2回途中6失点でKOされています」

 メキシコに敗れたプエルトリコは、ドミニカ戦の直後に守護神のエドウィン・ディアス(メッツ)が右ひざ膝蓋腱断裂で手術、競技復帰まで8カ月の大ケガ。九回を3者三振に抑え、ナインと跳びはねて祝福し合っていたら突如倒れ込んで……という、あまりにお粗末な大ポカである。

 同じ中南米のドミニカは16日のプエルトリコ戦で「イチローの弟子」として知られるフリオ・ロドリゲス(マリナーズ)が、平凡な中前打を後逸している。

「メキシコの左翼手、アロサレナ(レイズ)はファインプレーも多いが、凡ミスも多い。身体能力は抜群でも基本的な部分でポカをしてしまうのは、国籍問わず、中南米選手によく見られる特徴です」(友成氏)

 もっとも、日本代表も2013年の第3回大会では、まさかの重盗失敗が響き、準決勝敗退。当時の相手はプエルトリコだった。

 自らミスをせず、相手のミスを誘う展開をつくれば勝ち目はありそうだ。