<阪神6−5ヤクルト>◇18日◇甲子園

阪神大山悠輔内野手(25)が「2冠」を射程圏内に入れた。初回に逆転の2点適時打を放ち、チームを5カードぶりの勝ち越しに導いた。打点は74となり、リーグ3位タイで、トップの巨人岡本に4点差に迫った。本塁打、打点の2部門は激しいタイトル争いが繰り広げられており、虎の4番が球団では86年バース以来の2冠へ1歩も引かない。

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頼もしい4番の仕事だ。先制を許し、直後に巡ってきた逆転のチャンス。虎党の期待に、大山がしっかり応えた。「ランナーをかえすことだけを考えて打席に入っていました。逆転できて、自分の仕事ができたかなと思います」。フルカウントからヤクルト小川の内角低め直球を、逆方向にはじき返した。16日の同カードから続く3打席連続適時打は、決勝打となった。

打撃2冠へ負けられない。26本でリーグ単独トップの本塁打王争いは、20本以上に7人が並ぶ大混戦。この日の2打点で74打点。リーグ3位タイでトップの巨人岡本に4差とした。大山にとって、チームの勝利に貢献する打点はこだわる数字だ。「1点でも多くというのが仕事だと思っているので。もっともっと増やしていけるように」。12度目の勝利打点はリーグ1位の巨人岡本、丸に並んだ。勝負強さは、数字にも表れている。

頼もしい4番の姿は、ベンチで見守る後輩の良き手本にもなっている。16日にプロ初安打を放った新人井上には、ベンチで即席の打撃アドバイスを送る姿もある。シーズン前には使用するバットについて質問を受けると、自らのバットを譲るなどサポートしてきた。矢野監督も井上に、同じ右の大砲として大山を教材に勧めるなど、その存在はチームにも好影響を与えている。

指揮官は大山の一打を「中身がしっかりしている。たまたま打っているんじゃないというのは成長だと思う」と評価した。射程に入れている打点王のタイトルには「そういうのは大いにモチベーションにして、取れるものは全部取ってくれたらいい。貪欲に狙っていってくれたら」と、期待は膨らむばかりだ。

活躍するほど相手投手のマークは厳しくなる。「必死にやっている結果。1球に対する必死さ、食らい付きというのは技術ではどうにもならないところもある。残り試合も少ないですし、そういった気持ちはまだまだ足りないと思う。もっともっと上げていけるように、準備したいと思ってます」。大山の言葉にはチームを背負う覚悟がにじむ。チームの勝利、そしてタイトル奪取へ。そのバットは勢いを止めない。【奥田隼人】