プロボクシングWBA世界バンタム級3位の比嘉大吾(29=志成)が、“三度目の正直”を自らの拳で実証する。同級正規王者アントニオ・バルガス(28=米国)への挑戦(7月30日、横浜BUNTAI)が11日、都内で発表された。

昨年9月のWBO世界同級王者・武居由樹(大橋)戦(判定負け)、今年2月のWBA同級王者・堤聖也(角海老宝石)戦(引き分け)に続く、日本人初の3試合連続世界挑戦に「“三度目の正直”と“二度あることは三度ある”という言葉がある。どちらが正しいか試したい。自分は“三度目の正直”を信じる」と、比嘉は決意表明した。

武居戦直後は引退を示唆したが、堤戦後は「ドローという結果になって心のどこかでもう1回(チャンスが)あるんじゃないかと思ってすぐ練習しました」。すると本当に4月上旬に挑戦オファーが届いた。「運がいいですよね。早とちりして『引退』と言わなくてよかったです」と言って周囲を笑わせた。

すでに千葉県内で走り込み合宿に入っている。野木丈司トレーナーは「前回、前々回と比べて今回が一番いい試合が見せられると思う。堤戦後に『辞める』という言葉は聞いていない。その気構えがしっかりしている」。比嘉も「真剣にトレーニングをしたら(世界戦で)いい試合できた。その積み上げを感じていす」と、これまで以上に手応えを感じていた。

正規王者バルガスはアマチュア時代にリオデジャネイロ・オリンピック(五輪)に出場。17年2月にプロ転向して24年12月にWBA世界同級暫定王座決定戦で勝利。正規王者だった堤聖也(角海老宝石)が目の手術により休養王者となったことで正規王者に昇格した。最近2試合はダウンを挽回しての逆転KO勝ち。「倒れるのは自分に似ている。どちらが倒して終わるか。ハイリスク、ハイリターン。多分、自分とかみ合うと思う」と比嘉。

勝てば統一戦で休養王者の堤との3度目の対戦が実現することになる。「堤とは『もう3回目はいいよな』という話をした。自分が勝てば対戦することになるので、今回ばかりは相手を応援してください、でも俺はベルトを取りにいきますよと言いました。すると自分を応援すると言ってくれた。いいヤツだなと思いました」と、冗談を交えてまた笑わせた。

勝てば2階級制覇、そして18年4月に計量失格によってWBC世界フライ級王座を剥奪されて以来、7年4カ月ぶりの世界王座獲得で、高山勝成の5年11カ月を上回る国内最長ブランクでの世界王座返り咲きとなる。「“四度目の正直”という言葉は聞いたことがない。しっかりトレーニングして今回に賭(か)けます」。真顔になった比嘉が言葉に力を込めた。

同興行ではWBA、WBC世界フライ級王者・寺地拳四朗(33=BMB)がWBA同級3位、WBC世界同級4位リカルド・ラファエル・サンドバル(26=米国)との防衛戦(WBA初、WBC2度目)に臨み、WBA世界ライトフライ級1位高見亨介(23=帝拳)が同級王者エリク・ロサ(25=ドミニカ共和国)に挑戦するトリプル世界戦となる。【首藤正徳】