フィギュアスケート14年ソチ五輪金メダリスト羽生結弦(22=ANA)の今季フリープログラムが、15−16年シーズン「SEIMEI」の再演となることが8日(日本時間9日)、カナダ・トロントで行われた公開練習で発表された。既にアイスショーで披露している新ショートプログラム(SP)も14−15、15−16年に使用した「バラード第1番」の再演。五輪でSP、フリーともに過去のプログラムを滑るのは極めて異例。世界最高得点を出した得意の曲で、66年ぶりとなる連覇に挑む。

 平安時代の「陰陽師(おんみょうじ)」安倍晴明をテーマとした「SEIMEI」は、自ら選んだ思い入れのあるプログラムだ。狩衣(かりぎぬ)をイメージした衣装に加え、振り付けにも能や狂言を研究して日本の伝統を取り入れた。過去に日本人トップスケーターらも和風プログラムに挑んできたが、国際舞台ではなかなか評価されにくかった。だが、羽生は15年のNHK杯で当時の世界最高得点となる216・07点をマーク。続くグランプリ(GP)ファイナルではさらに219・48点と記録を塗り替え、世界に「和」を認めさせた。

 2季前は4回転ジャンプが2種類3本だったが、昨季4回転ループという新たな武器を加え、フリーでは3種類4本が出来るようになった。「SEIMEI」で4回転ジャンプ4本を成功させれば、自ずと技術点は引き上がる。

 見慣れたプログラムという懸念について、羽生を指導するブライアン・オーサーコーチ(55)は「それはない」と否定した。「誰が見ても、いいなぁと思うプログラムだし、振り付けも新しくなっている。ただ、レベルを引き上げる必要はある」。2度目の「SEIMEI」をいかに進化させるか。五輪に向けて、新たな挑戦が始まる。