ラグビーW杯で初の8強入りを狙う日本代表(世界ランキング8位)が9日、1次リーグ最終戦となる同9位スコットランド戦(13日、日産スタジアム)に向け、都内で調整した。準々決勝進出をアイルランド、スコットランドと争う中、日本は勝つか引き分けでA組首位突破が決まる。今大会3戦連続先発のCTB中村亮土(28=サントリー)が、スコットランド戦でも自慢のタックルで勝利に導く。

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4日後に控える運命の一戦を前にしても、中村には余裕があった。スコットランド戦で誰がトライを取るか報道陣に問われると「僕が取ります…。うそです」。WTB松島や福岡のような派手さはないが、堅守で貢献してきた男は、冗談めかして笑みを浮かべた。

身長178センチと世界レベルで見ると決して大きくはないが、低く鋭いタックルで大柄な相手を倒し続けている。3試合で許したトライは4つだけ。ディフェンスリーダーとしてチームの防御をまとめ上げた。この日は組織的な攻撃と防御の練習を行い、チームの方向性を再確認。「フィジカルの部分で戦うのが目標だった。すごく戦えていて自信になる。強みにしてBKの中でリードしていきたい」。確かな自信を胸に、過去1勝10敗のスコットランドに挑む。

帝京大で生きる道を見つけた。鹿児島実で花園に出場した実績を引っさげて入学するも、周囲とのレベルの差に戸惑った。「1年の中で俺が1番下手やな」と、4時間の個人練習を欠かさなかった。努力が実り、1年生ながらにSOとして10年11月の関東大学対抗戦に出場。対面にはこの日の会見で隣に座り、大学ラグビー界のエースだった早大4年の山中亮平。ボールを持って仕掛けてきたエースにタックルを突き刺すと、あおむけに倒れる山中の上に自分の体が重なった。「これならやれる」。磨き上げたタックルが、自分の武器だと確認した。

中村 ラグビーはチームのためにどれぐらいやれるかが表れるスポーツ。それが1番に表れるのがタックルだと思う。人間性が出るところなので、そこでは負けたくない。

追加招集選手として17年3月に、日本代表候補の合宿に参加した。練習生のような扱いから、確実に相手を倒すタックルを武器に、ジョセフジャパン不動のCTBに成り上がった。同代表ではスコット・ハンセン・ディフェンスコーチのもと、自慢のタックルはさらに進化。偉業達成を前に「ハンセン・ディフェンスコーチが示してきたことを徹底して、信じてきたから今のディフェンスがある。ベストパフォーマンスをして決勝トーナメントに進出したい」と力を込めた。磨き上げた鉄壁の防御で、スコットランドをはね返す。【佐々木隆史】

◆中村亮土(なかむら・りょうと)1991年(平3)6月3日、鹿児島市生まれ。鹿児島実高1年からラグビーを始め、帝京大では主将として大学選手権5連覇に貢献し、14年にサントリーに入社。同大4年時の13年5月のアジア5カ国対抗戦のUAE戦で日本代表デビュー。主なポジションはSO、CTB。代表キャップ数22。178センチ、92キロ。