モダン・ボーイズCOO兼謝罪マスターの竹中功氏

 人気タレントによる強制わいせつ事件、元財務次官のセクハラ疑惑、日大アメフト選手の悪質反則問題――。著名人や組織、企業の不祥事が絶えない。問題発覚後の対応によっては、さらなる炎上を招き、収拾がつかなくなるケースもある。不祥事後の対応はどうあるべきか、専門家に聞く。第1回は吉本興業で芸人らのトラブルやスキャンダルの対応策を一手に引き受け、退社後は起業して「謝罪マスター」を名乗る竹中功氏に、正しい謝り方を指南してもらった。

■大事なのは反省と再発防止策だけ 内輪の話は余計

 ――人気グループTOKIOの元メンバー・山口達也さんの事件後の会見について、「謝罪マスター」から見てどんなことが気になりましたか。

 「厳しく言うと準備不足を感じました。本人が謝罪の意味を混乱してしまったのかもしれません。『戻りたい』と言いたくなる気持ちも分かるが、伝えるべきポイントはそこじゃない。メディアもあおって色々聞いてくるでしょうが、そんなことは内輪の話。所属事務所のジャニー喜多川社長の手紙が話題になっていましたが、これも『家の中』の話。そもそもそこに至ったことに問題がある。酒を飲んで高校生を家に呼んだことが悪い。謝罪の視点がぶれたら謝り方もぶれる」

 「大事なことはやってしまったことの反省と再発防止策の2つです。言い訳に何の意味もありません。例えば芸人が遅刻したらどうなるか。電車が遅れたと言っても、吉本の場合は通用しません。『運がなかったね、ほなさよなら』で終わり。なぜなら別の人に迷惑をかけているんです。遅れてしまったことだけが大事。もう一つ重要なことは再発防止策。ファンの引き留めというか、応援してもらうためにも再発防止ってとても大切です。謝罪は再発防止まで含めてセットなんです」

 ――こういう会見では、事前に言ってはいけない「ネガティブリスト」というものを作りますよね。

 「当然作っているでしょう。あの会見はいろいろ設定がよくなかったと思います。まず弁護士の方が最初に7分も事情を説明していましたよね。7分ってとても長いです。黙ってじっと待っている当人の心境は大変ですよ。早くしゃべりたくなる。だから不要な言葉が混じってしまったのでしょう。7分たって、はいどうぞって振られても、何を言ったらいいのか、何を言ったらだめなのか、混乱しますよ。ここは弁護士、ここは山口さんの言葉、とメリハリをつける進行も必要だった。しかも囲み取材というスタイルもあまりよくなかったと思います。さらし者ですよ。弁護士も横にいない。司会者もいない。無防備です」

 ――後日のTOKIOのメンバー4人の会見はどうだったでしょうか。

 「僕が感心したのは、松岡昌宏さんが何回か、『相手の気持ちになって』と話したことです。被害者の気持ちを察することで、可能な限り、どんなふうに困ったり苦しんだりしたのか理解することが大事です。そこを松岡さんはわかっていたと思う」