音楽大手のエイベックスは2016年、クラウドによる人材管理サービス「カオナビ」を導入した。当初は社員の職務を見える化する狙いだったが、趣味や将来の夢といった個人的な情報も取り入れ、チームで仕事をしやすい環境づくりに役立てている。人工知能(AI)やクラウドなどの最新テクノロジーを人事に利用する「HRテック」に、エンターテインメント業界はどんな可能性をみているのか。小川尚信・CEO直轄本部戦略人事ユニットマネージャーに聞いた。

■「適材適所」は人を知ることから

――なぜHRテックを取り入れたのですか。

「当社が事業を広げるにつれ、グループ会社も含めて社員は急増し、それぞれがどういう人なのかを知るのが難しくなっていました。15年から子会社の再編や業務の見直しといった構造改革を始めるにあたって、社員のことを知らないままでは適材適所の配置はできないということになり、社員を見える化するためにカオナビを導入しました。社員の経歴やスキル、人事評価など様々なデータを顔写真とともに登録し、考課の効率化や人材の育成・配置などに利用する人材管理システムです」

カオナビに登録する社員の情報は多様だ=エイベックス提供

「導入したのは16年12月で、現在はグループ会社のアルバイトも含めて約1900人が対象です。エンタメ業界はアーティストを売り出したり、イベントを開いたり、人が中心となって動く業界です。個人のスキルや経歴、職歴、人脈などが業務の成否に大きく関わってきます。人材を生かす意味でも、社員のことを知る必要があったのです」

――どんな情報を入れているのですか。

「年齢や学歴といったプロフィル、スキルや職歴など基礎情報のほか、担当しているアーティストや専門分野といった仕事関連の情報、人事評価やグレード、仕事での目標、異動希望などを登録しています。特技や趣味、かなえたい夢、現在興味があることといった個人的な情報も登録してもらっているのが特徴です」