次代を担う旗手たちは何を感じ、何を考えるのか――。日本経済新聞社が運営する投稿プラットフォーム「COMEMO」から、「キーオピニオンリーダー」が執筆したビジネスパーソンにも役立つイチオシの記事を紹介します。小口資金を集めるクラウドファンディングサイトを運営するMotionGallery(モーションギャラリー、東京・港、サイトも同名)代表の大高健志さんによる「クラウドファンディングが変える社会」、最終回はなぜクラウドファンディングで社会を変えられるのか、その理由を語ってもらいます。

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(1)クラウド調達が生む世界 「カメ止め」映画の常識覆す >>

私はクラウドファンディングの仕組みが、今ある課題を解決するだけではなく、大きく社会全体を変えていく可能性を持っていると考えています。オンライン上で物販やサービス提供を行う電子商取引(EC)ではなく、少数意見であっても意義あることを伝える「メディア」でもなく、この2つを同時に実現できる「クラウドファンディング」だからこそできることがあると思っています。

■地域の文化を守る

「モーションギャラリー」で支援を集め、成功裏に終わったプロジェクトには、いくつかの特徴があります。例えば、時代に追いやられ存続が難しくなった地域の文化施設や産業を再活性化させるプロジェクトです。新しい発想の企画を打ち出したり、みんなが集まる場所をつくったり、地域の文化を守ろうというコンセプトのものには、多くの成功事例が見られます。

実際、モーションギャラリーに立ち上がったプロジェクトには、「再生」「復活」といった言葉をキーワードにしたものが少なくありません。そのいくつかを紹介します。

まずは、映画「男はつらいよ」の舞台として知られる東京・柴又でのプロジェクトです。葛飾区の旧職員寮を大規模改修(リノベーション)した宿泊施設の活性化をめざして未改修部分を活用。国内外14人のアーティストと共に、幅広い世代が集まる場所として、柴又の魅力を伝える宿をつくろうというものです。区長や観光協会が応援メッセージを寄せるなど、地域の力にも支えられながら、300万円の目標を達成しました。

14人のアーティストの力を借り、宿泊施設から柴又の新たな魅力を発信する(モーションギャラリーのプロジェクトページから)