次代を担う「旗手」は何を感じ、何を考えているのか――。日本経済新聞社が運営する投稿プラットフォーム「COMEMO」から、「キーオピニオンリーダー」が執筆したビジネスパーソンにも役立つ記事を紹介します。今回は電子商取引(EC)やオムニチャネルの推進を後押しする「ECエバンジェリスト」として活躍中の川添隆さんに、コロナ時代のブランドにとって最適なユーザーインターフェース(UI)の実現について語ってもらいます。

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新型コロナウイルスの影響で、店舗をメインとした小売業が苦境に立たされています。しかし、特に専門性のある小売業態やブランドで、利益を生み出していた店舗スタッフが活躍できない状況というわけではありません。何か特別な有償ツールがなくとも、自社ECサイトやSNS、LINE、ビデオ会議サービス「Zoom」のようなプラットフォームを活用すれば、スタッフが活躍できる環境を生み出せるはずです。必要なのはすぐに決めて動き出すこと。こうした仕組みをさらに発展させればテクノロジーと人の力が融合できる可能性があります。

今回は実際にそのような取り組みをスピーディーに行い実績を伸ばしている企業と、その具体的な方法を紹介します。

■「オールユアーズ」のオンライン接客

米国のB2C(消費者向け)領域では、Zoomが積極的に活用されるようになっており、日本ではオールユアーズ(東京・世田谷)がZoomを使ったオンライン接客をいち早く導入して実施しています。

オールユアーズでは、下記のような3種類のオンライン接客を実施しています。

1.かんたん質問箱を使った接客
2.ツイッター上での接客
3.プライベートZoom接客

1→3の順番でコミュニケーションの濃密さが増す接客になっています。

「かんたん質問箱」を使った接客では、買い物をする前に気になること、不明な点を気軽に質問できるコーナーを入り口としています。ユーザーはフォームに入力して送信すると、追ってツイッターのダイレクトメッセージ(DM)で返答がくるという流れです。「ツイッター上での接客」では、リプライやDMを使って、ツイッター上のみで完結する接客を行っており、これは他のブランドでも比較的導入が進んでいる手法です。さらに「プライベートZoom接客」は「なるべく店舗でやっている接客に近い手法」という位置づけで、より深い商品情報やサイズのアドバイスなどがほしい人や、オンラインの対面で自分の悩みを聞いてほしい人向けに実施しています。