ニューノーマルが広がるとともに、会社の人事がジョブ型に変わってゆく可能性が高まっています。メンバーシップ型とジョブ型では、働き方だけでなく、そもそも出世に対する考え方も全く異なります。日本社会にしか存在しないといわれるメンバーシップ型ですごしてきた私たちは、これから広がるジョブ型の働き方にどう備えるべきでしょうか。

■会社と一心同体になることがメンバーシップ型

日本の特殊な働き方を「メンバーシップ型」と最初に定義したのは、労働政策研究・研修機構労働政策研究所長の濱口桂一郎さんだと言われています。たしか2009年に岩波書店から出版された「新しい労働社会」がそのはじめでしょうか。

同書では日本独特のメンバーシップ型雇用の特徴を「職務のない雇用契約」にあるといいます。この「職務のない」ことを特徴として、ジョブ型に対するアンチテーゼ的な「メンバーシップ型」の定義をされました。

このメンバーシップ型という働き方は、私たちがあたりまえに使っている「正社員」という用語とも密接にかかわっています。法律上存在しない「正社員」という不思議な言葉は、どんな条件を示しているのでしょうか。

たとえば毎日会社に出勤するフルタイムの雇用で、定年まで働く無期雇用で、直接雇用されている人だったら、それは普通に「正社員」だと思うかもしれません。

けれども慣例的には上記に加えて、会社の指示命令に沿って配置転換や転勤などを受け入れなければいけないという定義をする会社が大半です。そして最高裁の判決でも、残業や転勤を拒否した従業員を懲戒解雇することを認めた場合があるのです。

日本企業での働き方は、フルタイムで無期雇用で直接雇用であるだけでなく、会社のメンバーとして「会社都合にあわせた働き方」をしなくてはいけない。それがメンバーシップ型の働き方であり、正社員の条件です。

しかしそれが現在変わろうとしています。