新型コロナによる小中学校などの一斉休校が、子どもたちの学びに与えた影響が明らかになってきました。地域や親の所得の違いで、様々な格差が生じています。専門家からは「困難な状況にある子どもへの支援が必要」との声が聞かれます。

「授業についていけない生徒も出ている」。東京都江戸川区立二之江中の茅原直樹校長は一斉休校の影響を深刻に受け止めています。学校の再開後、定められた教育課程を満たすため、授業のスピードは上がりがちです。放課後は学習につまずいた生徒を対象にした少人数の補習を開き、理解の差が広がらないよう工夫しています。

埼玉県教育委員会は県内の公立小中1058校(さいたま市立除く)を対象に、一斉休校などが学校教育に与えた影響(8月時点)を調べました。休校などで3年生の授業時数が160以上減った中学は全体の86%あり、220〜249減った学校も14%に達しました。

再開後の授業も地域や学校ごとに違うようです。夏休みの短縮などで、欠けた時数より多くの時数を確保したという学校がある一方で、2週間分超の時数を確保できていない学校も2割ありました。県教委は「時数だけで学校の取り組みは評価できないが、子どもたちの学習が不十分な場合は対応する必要がある」としています。

自宅での学習にも影響が出ています。三菱UFJリサーチ&コンサルティングが全国2000世帯を調べたところ、休校前の成績が下位の子どもは、平均学習時間が休校で半分程度に減りました。成績上位の子どもより減少幅は大きくなっています。子どもの成績と世帯所得は関連性が高いとされます。小林庸平主任研究員は「コロナ後の親の失業や収入減が家庭の余裕を減らし、学習に影響した可能性が高い」と分析しています。親の年収が200万円未満の子どもの場合、休校による学習時間の減少などで生涯所得が167万円減ると試算しています。