「デザインの世界には、ビジネスマンが日々の仕事の中で新たな価値を創るためのノウハウがたくさん存在しています」。日本でのデザイン思考の第一人者といわれる佐宗邦威氏はこう言います。先ごろ大幅に加筆修正して文庫化された同氏の著書『世界のトップデザインスクールが教えるデザイン思考の授業』(日経ビジネス人文庫)から、デザイン思考の入り口となる思考法を紹介します。

■ジャンプ:発想を飛躍させる

重要そうなものから一見関係なさそうなものまで、たくさんインプットをしたら次は、新しくユニークな切り口を生むために発想をジャンプさせる思考プロセスに入りましょう。

様々なアイデア発想法の方法論がすでに知られていますが、今までとは違う切り口を出すことは大変難しいことです。ジャンプはいつ生まれるかわからないという、理解しにくいプロセスでもあります。

ビジネスマンにとっては、普段ほとんど仕事で使わない頭の使い方です。企画を考えるときに必要に迫られてブレーンストーミングをやってみても、なかなかうまく成果が出ないと思っておられる方も多いでしょう。

ID(イリノイ工科大学デザインスクール)での学びの1つは、この一見わかりにくいものにもしっかりしたプロセスがあり、それは練習すればできるようになるということでした。

このプロセスでのデザイナーの思考には大きく分けて、様々な組み合わせを結びつける「新結合」、一見違うものに共通点を見出す「アナロジー思考」、前提となるルールを変えてしまう「前提を壊す思考」の3つがあります。