出社頻度はもっと低いほうが望ましいと考える人が多いようです(写真はイメージ)=PIXTAキャリアアップや人間関係構築、給与などの待遇面、転職や起業――。技術者の多くは、自分の働き方について様々な悩みや不安を抱えています。人事コンサルタントとして様々な企業の職場活性化を支援する天笠淳さんが、こうした不安を解消し、働く楽しみを見いだすための具体的な方法を紹介します。

「次はいつ出社する?」――新型コロナウイルス禍前、こんな質問を上司が部下にすることは少なかったでしょう。しかし今や、多くの場面で耳にします。テレワークがそれほど一般的になったということでしょう。

野村総合研究所が2022年6月24日に発表した、「働き方と移住」に関する調査結果(対象は東京都内の従業員300人以上の企業に勤務する人)を見てみましょう。現在の出社頻度が「週3日以下」と回答した人は51.3%と半数を超えました。毎日出社している人は、38.3%にとどまりました。

現在の出社頻度と理想の出社頻度(N=3207)(出所:野村総合研究所の調査結果を基に日経クロステック作成)

出社頻度はもっと低いほうが望ましいと考える人が多いようです。理想の出社頻度を尋ねた設問では、「週3日以下」が74.3%に上っています。毎日出社したい人は16.9%でした。

もちろん、出社頻度は業種や地域によって大きな差があります。筆者のクライアント企業にはITと製造業が多いのですが、出社しなければ仕事にならない製造業の出社頻度は高く、ITは低い傾向があります。

以前勤務していたIT企業の元同僚に聞いても、「出社は多くて週に3日、月に1度出社するかどうかという部門もある」というような話を当たり前のように聞きます。出社頻度を下げた分、4フロア借りていたオフィスビルを1フロア分減らしたという会社もあります。仮に全員が出社したら座れない人が出る計算です。

コロナ禍前は、IT企業でもほとんどの社員が当然のように満員電車で出社していました。しかしいったんテレワークに慣れてしまうと、出社すること自体がかなりの手間だと感じるようです。数カ月程度ならともかく2年以上もテレワークが続くと、以前の生活など忘れてしまうのも無理はないでしょう。

こうした状況になると、出社頻度が社員のモチベーションに影響するようです。前出の野村総合研究所の調査によれば、「理想よりも出社が多い」と感じている人の81.7%が、働き方について何らかの不満を持っていました。「理想通りの出社頻度」と答えた人のうち働き方に不満を持つ人は56.5%だったので、25ポイントほどの差があります。

今後は、目標面談やキャリア面談などでも「週あたりの理想の出社日数は何日ですか」と部下に質問し、その数字をモチベーション維持や勤怠管理に活用するようになるでしょう。新入社員の配属や離職予防にも、出社日数は重要になります。配属希望だけでなく出社日数の希望も考慮したうえで配属先を決めたりモチベーション管理をしたりする必要が出てくるでしょう。上司にとっては、気を使う要素がまた1つ増えたといえそうです。