リモートワークの日常化により、ワークスタイルと人材マネジメントの関係や、対面で仕事をする意義、そしてオフィスのあり方までもが大きく変容しています。前回の記事「リモートワーク賛成・反対 社内の温度差どう埋める?」に続き、今回は「これからの社員と会社との関係」「組織カルチャー」「ワークスタイル」「オフィスで対面で働く価値」などのトピックについて、事例を交えながらさらに議論を深めていこうと思います。

■社員と会社の関係はこれからどうあるべきか

まず、社員と会社(所属する企業)との関係についてです。これまでは、オフィスやファシリティ、労働時間や社員同士の関係まで、働く環境全般を会社が与え、社員が与えられるという構図でした。これからは、仕事の価値づけと機会を会社が提供し、自律した社員が自らそれを選びつかみ取るという構図に変わっていくことが望ましいと思います。

会社は社員の多様なワークスタイルを尊重しつつ、挑戦できる機会と裁量を提供します。一方、社員は自律性(自ら仕事の目標を設定でき、仕事への価値や意義を見いだせる力)を高め、成果にコミットしてオーナーシップを発揮し、誠実に業務を遂行します。このように会社と社員が対等な関係にシフトしていくべきだと思います。

■チーム全体で成果を上げる組織カルチャーづくり

今日、「多様性」という言葉はすっかり定着しましたが、多様な社員がただいるだけでは組織としてはまとまりを欠きます。多様な人材を機能させる組織づくり、そこでのルール・プロセスを策定し、組織全体でパフォーマンスを向上させるカルチャーを醸成することが必要です。

日本企業のカルチャーは、これまで新卒採用で均一の労働力を確保してきた影響からか、「平等な環境は与えた。あとは社員個々人が努力して頑張るべきだ」といった自己責任論が強く、他人に不寛容で、人の課題や弱みに厳しい傾向が一部であるように思われます。

これからは、個人の強みに着目するカルチャーへの転換が必要です。ただ、個人の強みは顕在化しにくく他人が認識することが難しいため、所属するメンバーそれぞれの強みについて相互に理解し合える取り組みが必要です。

多様な個人を尊重するチームが強い

私の知る会社では、個人の思考行動特性を分析するツールを活用し、メンバーに許可を得た上で、メンバーおのおのの行動特性をチーム内で共有しメンバー間の相互理解につなげています。このとき、特定の個人に対する偏見やバイアスがかからないように、メンバーが他者の分析結果を個別に閲覧することはせず、チームミーティングで共有し、話し合える形にして運用しています。