千葉市の渋谷教育学園幕張中学・高校

全国有数の進学校となった渋谷教育学園幕張中学・高校(千葉市)と同渋谷中学・高校(東京・渋谷)。東京大学など国内の一流大学のみならず、ハーバード大学など欧米のトップスクールに進む生徒が増えている。グローバル人材育成校として全国的な注目を集めている。保守的な日本の教育界で、両校創立者の田村哲夫理事長兼学園長(86)は、なぜ「渋幕・渋渋の奇跡」を起こせたのか。

■東大より欧米大志望なら渋渋へ

「桜蔭より渋渋に行きたい」

2022年春、全国トップの女子進学校、桜蔭と渋渋の両中学に合格した生徒は、両親に渋渋進学を熱望した。桜蔭は「女子御三家」と呼ばれる伝統校で、今年の東大合格者数は77人、卒業生228人のうちの現役合格率は30%超。しかも3人に1人は国公立大学の医学部医学科に進み、最難関の東大理科3類の合格者数は13人と灘高校を抑え、初めて全国トップに立った。

一方、渋渋は1996年に旧渋谷女子校を衣替えした新興の男女共学校。22年の東大合格者数は38人で、卒業生207人のうちの現役合格率は約15%。東大や医学部の合格実績では桜蔭を下回る。しかし、SAPIXなど大手進学塾の偏差値をみると、渋渋は桜蔭と並び、全国トップ水準となっている。「やはり東大や医学部に進学するなら桜蔭が有利。でも、海外の有名大学を目指すなら渋渋。帰国子女が多く、自由で楽しそうな進学校だと人気が高まっている」(進学塾の経営者)という。

「東大は選択肢の一つでしかない。世界のトップ大学を目指してほしい」と22年3月まで渋渋、渋幕両校の校長を務めた田村理事長は語る。渋渋からは07年にハーバードに合格したのを皮切りにスタンフォードやMIT、オックスフォード、ケンブリッジなど米英のトップ大学への合格者を輩出、22年も5月段階でエール大学などに30人以上が海外大に合格している。