東京都市大付属中高の授業風景(同校提供)

東京・成城にある中高一貫の私立男子校、東京都市大学付属中学・高校。2022年に東京大学への合格者数が初めて2ケタ台に乗るなど伸び盛りの進学校として注目を集めている。4月には神奈川県の公立トップ進学校、横浜翠嵐高校の前校長だった篠塚弘康氏が新校長に就任した。〝プロ校長〟を迎え、さらなる飛躍を目指している。

「これは生徒の第1志望校宣言ですね」

都市大付属の高3の教室をのぞくと、各生徒のロッカーの張り紙が目に飛び込んできた。「東大理科1類」「一橋大学経済学部」「東京医科歯科大学医学部医学科」などと志望校が書き込んでいる。

篠塚校長は、「翠嵐でも各生徒が第1志望校宣言していましたが、こんな目立つようにロッカーに張っていなかった。もちろん教員が無理強いしているのではなく、各生徒が自分たちの意思で張り、有言実行でガンバロウというわけです」という。5~6年前であれば、「お前が東大なんて」と同級生からやゆされたかもしれない。しかし、今はそんなムードはない。実際、東大合格者数は20年の5人から21年に7人、そして22年は12人と右肩上がりで上昇している。

■「1日午後入試」で志願者急増

同校の1学年の定員は240人だが、22年の国公立大学の合格者数は86人(現役は73人)、医学部医学科は37人(同29人)と難関大学への現役合格力は飛躍的に伸びている。同校はもともと、旧武蔵工業大学の付属校。わざわざ他の大学を受験する生徒は少数派だった。しかし、06年に閑静な住宅街で知られる成城に洗練された新校舎を建設。09年に校名を変更、10年に完全中高一貫制に移行、13年には習熟度別にⅠ類、Ⅱ類のクラス編成を導入するなど進学校に姿を変えていった。

転換点となったのが「1日午後入試」と呼ばれた独自の入試戦略だ。開成中学など都内のトップ進学校の入試集中日は2月1日。その日の午後にあえて受験日時を設定し、午前中に入試を終えた児童を集める仕組みだ。さらに2日、4日、6日と計4回の複数受験を可能にした。午後入試が話題になり、22年の志願者数は3600人を突破、私立男子中学として12年連続で都内トップとなった。