高橋浩一TORiX代表取締役(右)と『心理的安全性のつくりかた』著者の石井遼介氏(オンライン対談の画面から)

オンライン時代のマネジメントは、監視型のマネジメントに走るマネジャーが多いと言われる。恐怖心ではなく安心感を与えるアプローチで、組織をつくり人を伸ばすためには、どうすればいいのか。営業強化を支援するTORiX(トリックス)代表取締役の高橋浩一氏がさまざまなキャリア論、人材組織論の提唱者たちと対話し、これからの時代のキャリア戦略を考える対談シリーズ。2回目はゲストに『心理的安全性のつくりかた』(日本能率協会マネジメントセンター)の著者で、心理的安全性導入の支援サービスを手がける石井遼介氏を迎え、距離にとらわれないマネジメントについて語り合った。

■監視して叱責するのではなく、見守り褒める

石井 コロナの影響によってリモート化したことで、過去の成功体験の多くが通用しなくなっていますよね。例えば対面のコミュニケーションで成果を出してこれた人でも、そのままのやり方ではうまくいかないわけです。

マネジメントも同様に変化を迫られていますが、「サボらないように、手元を監視するためのツールを導入します」といったケースがあるなど、よくわからない中で模索している印象です。誰も正解は持っていないのだから当然ではあるのですが、どんな方法でも、取り入れてみて違うなと思ったら、すぐにやめること。この柔軟さが持てるかどうかが、分かれ道のような気がします。

高橋 マネジメントに関して言えば、オンラインでコミュニケーションが取れるようにしようとか、活動状況を見える化しようとか、デジタルツールが普及しています。ただ、うまくいかない会社はやはり、監視ツールに使ってしまっているんです。

例えば、怠けずに営業活動をしているかを探るために、事細かにメンバーに業務報告を入力させて、それに対して厳しく突っ込むわけです。こういうことを繰り返していると、メンバーは、モチベーションが下がって、指摘を受けない程度にしか報告をしなくなります。事実が上がってこなくなるわけですね。

僕がよく言うのは「ツールは監視ではなくて褒める用途として使ってくださいね」ということ。なので見える化すべきは、できていないことではなくて、褒める要素です。デジタルツールを使って褒めまくる。自分では「褒め褒め祭り」と呼んでいますが、これを実践すると業績が上がるんですよ。