団塊の世代が2025年には後期高齢者となる中、在宅医療市場は急拡大している。しかし、医師のみでは高齢の患者のニーズには十分に応えられない。要となるのが訪問看護師の存在だ。2月に東証マザーズに上場した訪問看護サービスのリカバリー・インターナショナルの大河原峻社長(38)に、自身の看護師としてのキャリアを振り返りながら、訪問看護の実情や課題について語ってもらった。

■訪問看護、利用者伸び率2桁だが、次々廃業

「訪問看護の事業は廃業率が高いと言われている。訪問看護ステーションは全国で約1万2千カ所に上る。毎年約1000の事業所が開設されるが、700〜800カ所は休廃止する」と話す。高齢化により利用者の伸び率は10%を超えるが、なぜ破綻する業者が多いのか。

「看護師が3人いれば、法人を設立して各地域でサービスを提供できるが、そもそも看護師はマネジメントを理解している人が少なく、勉強もしていない。どのように売り上げ、コストを抑えるかといったビジネスのイロハも分かっておらず、うまく事業を回すことができない」という。利用者は多いが、保険の関係もあり、実際に収入が入ってくるのは2〜3カ月後。初年度の事業スタート年で資金ショートしてしまうケースが少なくない。深夜対応もあり、少人数では勤務ローテンションを組めなくなる場合もある。

もともと大河原社長も看護師。大学で経営学を学んだり、一般の企業でビジネスパーソンとして働いてきたりしたわけではない。なぜ起業し、どのようにして上場にまでこぎ着けたのか。

リカバリー・インターナショナルの大河原社長