新型コロナウイルスの流行で、大学を中心にオンライン授業の導入が進んだわね。どのような効果があったのかしら。小中学校や高校では導入は進まないのかしら。

オンライン授業の現状について、久保田啓介編集委員が山口理恵さんと松浦妙子さんに解説した。

山口さん「オンライン授業は新学期も続きますか」

2020年度は多くの大学がオンライン授業への切り替えを迫られました。大学の学生は広い範囲の地域から通い、教室も不特定多数の学生で共用するので、小中高校よりもコロナ対策を慎重に進めています。20年度後期からは授業を対面中心に戻した大学もありましたが、一部にとどまりました。大部分の大学では遠隔中心か、遠隔と対面を併用していました。

新年度の4月以降は多くの大学が「対面授業を中心にする」予定ですが、少なくとも前期はオンラインとの併用が続きそうです。大人数の講義は遠隔、少人数なら対面、と区別したり、同じ講義でも教室で受ける組と遠隔組に分けたりするなど「3密」を防ぐため知恵を絞っています。

一方、小中学校ではオンライン授業を実施したのは一部の地域や学校に限られ、新年度も基本は対面授業になります。学校に機材が整っておらず、児童・生徒の側もパソコンは配られていても、通信手段がない家庭があり、教育機会の公平を保てないといった理由からです。

松浦さん「オンライン授業は賛否があるようですが、どこが支持されていますか」

いくつかの大学が公表した学生アンケート結果をみると、賛否は相半ばしています。オンラインのメリットとして多くの学生が支持したのは、通学時間を省けることです。とくに録画を視聴するオンデマンド型授業は、自分の都合のよいときに受講できる点が好評です。

SNS(交流サイト)に慣れた学生からは「教室だと恥ずかしいが、チャットなら気兼ねなく質問できる」と歓迎する声もあります。

興味深いのが、教科書的な知識を学ぶ授業は「遠隔の方が適している」との評価が多いことです。学生たちは難解な部分を繰り返し再生するなどして、理解を深めているようです。

山口さん「では、デメリットはないのですか」

学生の間では「課題地獄」が流行語になりました。教員は毎回の授業で出欠確認を兼ねてリポートを課し、学生から「もっと柔軟な対応を」と不満が噴出しました。友人ができずに孤独感や疎外感を訴える学生も多く、とくに新入生には戸惑いの連続でした。

ゼミや実験・実習も多くの大学が代替手段を試みたものの、よい手段は見つかっていません。学生側からも大学の施設を利用できず「授業料に見合った教育を受けられていない」と不満が出ています。