新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの中小企業が打撃を受けています。政府や自治体は様々な支援策を打ち出していますが、効果は表れているのでしょうか。

 中小企業政策を担当する経済産業省は支援策をまとめたパンフレットで、経営相談、資金繰り支援、給付金、設備投資・販路開拓の支援といったメニューを紹介しています。経営相談の項目では、「予約がすべてキャンセル。従業員への給与支払いなど資金繰りに不安がある」と訴える観光バス業者の相談事例を挙げ、日本政策金融公庫の貸付制度、信用保証協会の保証制度や相談窓口などを案内したと説明しています。

 東京商工リサーチが1月に実施した調査によると、新型コロナに関連する国や自治体、金融機関の支援策を利用した企業は、大企業(有効回答1962社)の30.2%、中小企業(同1万214社)の61.8%に達しました。「今後利用する可能性がある」との回答は大企業の7.0%、中小企業では8.2%です。利用した支援策を尋ねると、民間金融機関の実質無利子・無担保融資が最も多く、持続化給付金、雇用調整助成金、日本政策金融公庫による実質無利子・無担保融資と続きました。

 コロナの影響で企業の倒産が急増するとの観測もありましたが、2020年は逆に倒産が減りました。帝国データバンクによると、20年の倒産件数は7809件と2000年以降で2番目の低水準でした。同社横浜支店の内藤修情報部長は「様々な支援策が多くの企業の資金繰りを支え、倒産の歯止めになった」と説明します。

 予断は許しません。内藤氏は、中小企業の資金繰りを支えてきた民間金融機関の貸し出し態度が最近やや厳しくなっていると懸念しています。コロナ危機が1年以上続くなか、金融機関は貸出先を改めて選別している可能性があります。神奈川県内のコロナ関連倒産は、昨年12月末までの累計で43件でしたが、今年1月だけで14件と急増しています。2度目の緊急事態宣言で景気の先行きに不透明感が増すなか、事業の継続を諦める経営者が増えています。