『ゆとりですがなにか』(2016年)、『今日から俺は!!』(18年〜)などのドラマでインパクトの強い脇役を演じる一方、石井裕也、中川龍太郎ら気鋭の映画監督の作品に主演して地歩を固めてきた“若き名優”仲野太賀。20年は映画7本、ドラマ4本に出演する活躍を見せ、うち映画2本、ドラマ2本に主演。バイプレーヤーから“主演常連”のポジションに近づき、タレントパワーランキング男優部門の急上昇3位に輝いた。

1993年2月7日生まれ、東京都出身。2014年、『ほとりの朔子』『男子高校生の日常』などの演技でTAMA映画賞最優秀新進男優賞を受賞。文中以外の主演映画に『母さんがどんなに僕を嫌いでも』『静かな雨』など。7月期は『#家族募集します』(TBS系)に出演(写真:中川容邦)

「いやもう、とってもうれしいです。今までなかなか、こんなふうに取り上げてもらえることがなかったので、素直にうれしいですね。

この1年で、仕事の量自体はそこまで変わりはないんですけど、役がちょっとずつ大きくなってきて、ありがたさとともに、責任の重さを感じるようになりました。コロナで先行きが見えないなか、タイミング良く連続ドラマのお話をいただいて。『あのコの夢を見たんです。』と『この恋あたためますか』が同時期に放送されたのは大きかったんじゃないかなと思いますね。さらに『生きちゃった』(石井裕也監督)、『泣く子はいねぇが』(是枝裕和企画、佐藤快磨監督)と2本の主演映画が公開されて、尊敬する作家さんたちと作品を作れた喜びもあって。そういう意味では、大きな1年でした」

『あのコの夢を見たんです。』は、民放連ドラ初主演作。仲野は原作者でもある南海キャンディーズの山里亮太役を演じ、妄想シーンでは高校生から勇者まで演じ分けた。

「『この恋あたためますか』は、森七菜主演のラブストーリー。ヒロインとともにコンビニスイーツを開発する新谷誠役を好演した。

『あのコの夢を見たんです。』は、まさか山里さん本人の役を僕がやる未来が来るなんて思ってもみなかった(笑)。そして蓋を開けたら、連ドラの主演。これは挑戦だなと思ってやらせてもらいましたね。

『この恋あたためますか』は、中村倫也さんの恋敵役だと聞いて、まあ、勝ち目はないなと(笑)。今まで胸キュンドラマに縁がなかったので、これも挑戦でした。

第1話で経験したのが、『壁ドン』。脚本にそういうト書きはなかったんですけど、現場で監督に『やりませんか?』と言われて、『やりますか』と。ただ、マジな話をすると、流れ的には少し無理があって、実感を持てないままだったんです。それが、森さんのニコッという返しの笑顔一撃で、すべてが成立した。リアクション次第で、お芝居はどうにでもなるんだなって、すごく勉強になりましたね」