禁煙治療アプリが初めて保険収載され、今後様々な分野で治療アプリの活用が期待される

スマートフォンのアプリを利用して治療する「治療用アプリ」が日本で初めて保険適用された。第1号は禁煙治療用で、薬を併用し行動変容を促す。医療のデジタル化の遅れが指摘される中、治療用アプリが起爆剤となるか、注目が集まっている。

昨年12月承認されたCureApp社の禁煙治療用アプリは、患者自身が禁煙状況などを記録する患者用アプリと患者の状態をチェックする医師用アプリ、呼気の一酸化炭素(CO)を調べる機器のセットだ。

■禁煙補助剤と併用

アプリは禁煙補助剤「バレクニン」と併用する。患者は日々の喫煙欲求の度合いなどを記録し、ニコチン依存症などの解説動画29本を半年かけて学ぶ。

従来の治療は、薬を使いながら12週間の間に医師のカウンセリングを5回受ける。診察の合間の約1カ月間、たばこを吸いたい思いを抑えられるかは、自助努力次第だった。治療中は禁煙できても継続は難しく、日本循環器学会によると治療の1年後に再喫煙する割合は8〜9割に上るという。こうした課題の解消がアプリに期待されている。

「一緒に頑張りましょう!なぜ吸いたくなったのですか」。禁煙継続支援のため、アプリが提供する機能の一つが「ナースコール」だ。患者が「たばこを吸いたい」と感じた際に使用する。チャット形式で現在の気持ちなどを答えると、患者に合った最適な気分転換の方法などを提案する。COチェッカーは喫煙の有無を正確に判別できるため、患者がこっそり吸っても把握できる。

患者からは「COチェッカーの値がグラフ化され、良い意味でプレッシャーになる」「チャット機能で励ましてくれた」などの声が寄せられているという。次の診察までの「空白」を埋め、生活習慣の改善や定着を促す。

治療アプリでは医師による治療終了後もさらに12週間使い続けてもらう。計6カ月間(24週間)の治療で禁煙継続の効果を高める。国内での臨床試験では、アプリを24週間使った人は約1年後の禁煙継続率が52.3%で、アプリを不使用に比べて10ポイント以上高かった。